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  1. 愛知県議会 2005-09-01
    平成17年9月定例会(第4号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成17年9月定例会(第4号) 本文 2005-10-04 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 56 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 2 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 3 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 4 :  ◯知事神田真秋君) 選択 5 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 6 :  ◯十九番(渡辺まさし君) 選択 7 :  ◯病院事業庁長外山淳治君) 選択 8 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 9 :  ◯四十七番(鈴木愿君) 選択 10 :  ◯企業庁長福間克彦君) 選択 11 :  ◯建設部長藤井則義君) 選択 12 :  ◯防災局長恩田正美君) 選択 13 :  ◯知事神田真秋君) 選択 14 :  ◯四十七番(鈴木愿君) 選択 15 :  ◯四十番(三浦孝司君) 選択 16 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 17 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 18 :  ◯議長川上万一郎君) 選択 19 :  ◯二十三番(神野博史君) 選択 20 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 21 :  ◯産業労働部長平野洋君) 選択 22 :  ◯産業労働部理事(所晃君) 選択 23 :  ◯知事神田真秋君) 選択 24 :  ◯二十三番(神野博史君) 選択 25 :  ◯議長川上万一郎君) 選択 26 :  ◯三十七番(浜崎利生君) 選択 27 :  ◯農林水産部理事(小出義光君) 選択 28 :  ◯知事神田真秋君) 選択 29 :  ◯三十七番(浜崎利生君) 選択 30 :  ◯議長川上万一郎君) 選択 31 :  ◯六十三番(秋田政幸君) 選択 32 :  ◯総務部長(西村眞君) 選択 33 :  ◯企画振興部長(渡邉俊司君) 選択 34 :  ◯知事神田真秋君) 選択 35 :  ◯六十三番(秋田政幸君) 選択 36 :  ◯三十九番(藤川政人君) 選択 37 :  ◯議長川上万一郎君) 選択 38 :  ◯議長川上万一郎君) 選択 39 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 40 :  ◯二十五番(伊藤勝人君) 選択 41 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 42 :  ◯健康福祉部理事(五十里明君) 選択 43 :  ◯知事神田真秋君) 選択 44 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 45 :  ◯一番(とね勝之君) 選択 46 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 47 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 48 :  ◯警察本部長(宮本和夫君) 選択 49 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 50 :  ◯農林水産部理事(小出義光君) 選択 51 :  ◯企画振興部長(渡邉俊司君) 選択 52 :  ◯知事神田真秋君) 選択 53 :  ◯一番(とね勝之君) 選択 54 :  ◯四十番(三浦孝司君) 選択 55 :  ◯副議長佐宗靖広君) 選択 56 :  ◯副議長佐宗靖広君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時二十分開議 ◯副議長佐宗靖広君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。     ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 諸般の報告 2: ◯副議長佐宗靖広君) この際、諸般の報告をいたします。  本日知事から追加提出されました議案は、各位のお手元に送付いたしました。  以上、御報告いたします。     ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 一般質問並びに第百四十九号議案平成十七年       度愛知県一般会計補正予算から第百七十九号議       案上告の提起についてまで及び決算第一号平成       十六年度愛知県県立病院事業会計決算から決算       第五号平成十六年度愛知県臨海用地造成事業会       計決算まで 3: ◯副議長佐宗靖広君) 次に、第百四十九号議案平成十七年度愛知県一般会計補正予算から第百七十九号議案上告の提起についてまで及び決算第一号平成十六年度愛知県県立病院事業会計決算から決算第五号平成十六年度愛知県臨海用地造成事業会計決算までを一括議題といたします。  直ちに、本日追加提出されました第百七十九号議案上告の提起についてに対する知事の提案理由の説明を求めます。  神田知事。     〔知事神田真秋君登壇〕(拍手) 4: ◯知事神田真秋君) このたびの九月定例県議会における議案につきまして、本日、上告の提起に係る議案を追加提案させていただきましたので、その概要を申し上げたいと存じます。
     本日提案をいたしました案件は、児童養護施設内で発生した入所児童による集団暴行事件に関し、国家賠償法に基づき県に責任があったとして係争中でありました損害賠償請求控訴事件に係るものであります。  去る九月二十九日の第二審判決におきまして、愛知県が一部敗訴する判決の言い渡しがあったことに対し、上告の上、敗訴部分の破棄及びさらに相当の裁判を求めるものでございます。  なお、上告期限が十月十三日であることから、追加提案をいたしたものでございますので、よろしく御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願いを申し上げます。(拍手)        ─────────────     〔議案は別冊付録に掲載〕        ───────────── 5: ◯副議長佐宗靖広君) これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  渡辺まさし議員。     〔十九番渡辺まさし君登壇〕(拍手) 6: ◯十九番(渡辺まさし君) 皆さんおはようございます。一般質問の二日目トップバッターとして、愛知県がんセンターについて質問をさせていただきます。  日本人の平均寿命は、医学技術の進歩や公衆衛生の向上などにより、今や世界で最も寿命は長くなっていると言われています。一方、死亡原因の状況から見ると、昭和五十六年からは脳卒中にかわって、がんは日本人の死因において第一位を占め、がんは年々増加し続けています。がん患者数は、今や全国で百三十万人にも上ると言われ、がん死亡者数は現在約三十万人になっているそうであります。二〇二〇年には四十五万人まで増加するとの試算もされております。まさに国民の二人に一人ががんにかかり、三人に一人はがんで亡くなるという国民病であり、課題であると思います。  この状況は、本県においても例外ではないと思います。愛知県のがんセンターの登録によりますと、平成十三年の罹患者数では、一位は胃がんであります。ちなみに、人数は四千五十三人、二位は肺がんで三千二百五十三人、三位は結腸がんで二千六百六人、四位は乳がんで千八百十四人の順となっています。また、罹患者数の合計については、平成十年では二万一千百二十六人、平成十三年に二万三千九百十五人と、年々これまた増加をしている状況にあります。  本県は、他県に先駆け、昭和三十六年一月に県がん対策協議会がいち早く設置をされ、知事から悪性新生物の予防及び治療対策について諮問がされ、同年六月に同協議会から知事に対し、がん対策の拠点となるがんセンターを早急に設置するという、また必要があるという旨の答申がされ、愛知県がんセンターの設置を決定をした経緯がございます。  また、国においては昭和三十七年に東京に初めて国立がんセンターが設置されてから、愛知県においてはその二年後に、昭和三十九年十二月、ちょうど東京オリンピックが開催された年でありますが、地方公共団体としては初めて病院と研究所をあわせ持つがん専門の医療機関、愛知県がんセンターとして業務を開始をされました。当初は、病床数が三百三十三床、特別病床が三十二、一般病床が二百六十九、手術後の回復病床が二十四、ラジウム病床が八でスタートいたしました。  途中、平成四年の五月から病棟数も、また病床も五百床ということで、新病院棟として新しく業務を開始したほか、遺伝子の組みかえ実験室の完成、生物工学総合実験棟の竣工、特別放射線・診療棟竣工など行い、また、平成十四年八月のこの地域において初めて地域がん治療拠点病院の指定を受けたところであります。昨年、平成十六年の四月から地方公営企業法の全部を適用し、同年九月に病院機能評価の認定を受けたところであります。  高度先進医療については、現在の保険制度では認められていない高度で先進的な医療として、固形腫瘍のDNA診断を初め三つの先進医療を行っているところであり、さらには、幾つか今申請が既になされているということを聞いております。また、こうした医療を支えるための高度医療機器は、従来のCTより薄いスライスに撮影ができる3D画像を得られるようなCT、あるいは放射線治療によるリニアアクセラレーターという機器が今現在導入がされています。特に、リニアアクセラレーターは今年新たに二台目の機器が導入をされるということをまた聞いておりますが、その効果が期待がされるところであります。  また、がん治療を行う全国主要病院を対象とした、調べてみますと日経新聞のアンケート調査がございました。病院の総合評価では、五年以上の生存率や死亡率のほか、治療成績、専門医の配置、治療設備の充実など調査をしたところ、全国がんセンター、成人病センター協議会に加盟している病院と私どもの地域がん医療拠点病院から約七割の回収がされた中で、国立病院と並ぶ、愛知県がんセンターも高い評価を受けたところであります。  がんの治療は、手術の方法と抗がん剤を用いた化学療法、放射線療法とそれぞれ単独に行うものがございますが、それと組み合わせる治療方法が通常だと言われています。これまでの日本の手術療法を中心として治療技術が進歩してきたことから、化学療法、放射線療法はどちらかというと補助的に行われてきているという状況であります。また、がん研究により、臨床実験の結果から治療が必要ながん、特に、乳がん等においては、手術療法よりも化学療法、抗がん剤あるいはホルモン剤等を含む処方がよいということが明らかになってきました。  また、治療効果の高い抗がん剤の開発や、高精度放射線治療といった治療効果の高い療法が開発され、がんの種類や進行度によっては、化学療法、放射線療法と、重要性が今高まっています。  こうした中で、最近特に注目されるのが放射線療法で、エックス線よりもがんの病巣への線量集中性がすぐれ、体の外から深部の病巣の照射に対して、周りの正常な細胞へのダメージを少なくし、病巣に集中的に照射をする新しい技術で、重粒子線、陽子線を用いた、体に優しいがんの治療機器が開発され、全国で数台しかないとも言われている機器であります。  がん対策については、厚生労働省は、がん対策推進本部を発足をさせて、先端的な治療の導入やレベルアップなど取り組んでいるようであります。  昨年スタートした政府の第三次対がん十カ年総合戦略に、国民の生活習慣病対策の推進と介護予防の推進の施策を展開するとし、ますますふえ続けるがん対策として、がん治療後の五年後生存率を今後十年間で二〇%改善をする、また、がんの本態解明と革新的な予防法、診断・治療法の開発、がんの有効的な予防法の確立と最新の研究成果に基づくがん検診の実施、また、がん治療の向上と、どこでも最適ながん治療が受けられる社会環境の整備、がん治療の均てん化のためのがん治療拠点病院の整備、がん専門医や将来のがん研究の中核となる人材の育成などが戦略として挙げられています。  そこでお尋ねをいたします。  一つは、本県のがんセンターにおける最新のがん研究、とりわけ革新的な予防方法の開発、診断・治療法の開発はどのように進められ、どのような実績を上げているのか。当然として、この件は国の協力を得て努力をされたいというものでありますが、御所見をお伺いいたします。  二つ目は、がん治療の向上を図るため、全国的に高い評価を受けている本県のがんセンターでありますが、全国に数台しかないと言われます粒子線・陽子線治療機器の導入についてどのように考えられているのか、お伺いいたします。  最後に、今後ますます増大するがん患者に対して、どこでも最適ながん治療が受けられるようにするためには、専門医の育成が必要だと思います。特にがん治療は、高精度放射線治療といった治療効果の高い療法が開発され、がんの種類や進行度によっては、高度な知識と技術を持った専門家が求められます。ちなみに、放射線治療を行う専門医は国内でも四百人程度しかいないのが現状であります。そこで、がんにおける、またがんセンターについてはがん専門医の育成はどのようにされているのか、また、なされようとしているのか、あわせてがんセンターにおける放射線治療を行う専門医の配置状況と育成についてお伺いをいたします。  明確な答弁をお願いし、壇上からの質問を終わります。(拍手) 7: ◯病院事業庁長外山淳治君) 愛知県がんセンターについて、三件の御質問をちょうだいいたしました。  第一問は、がんセンターの最新の研究成果についてでございます。  三件御紹介申し上げます。  第一の研究は、食道がんの予防に関する研究でございます。飲んだお酒を体内で分解する際に発生します発がん性のアセトアルデヒドの解毒能力を遺伝子検査によりまして検討し、食道がんのなりやすさを事前に診断し、その予防に役立てる研究でございます。  第二は、抗がん剤の副作用を遺伝子診断により治療前に予知しまして、患者様の体質に合わせたオーダーメードのがん治療をする手段でございます。肺がんの治療薬イレッサの副作用の予知については、世界の最先端を行く研究成果を上げております。  第三は、リンパ腺に転移したがん細胞をピンポイントで攻撃する手段を開発中でございます。マクロファージという細胞に抗がん剤を封入しまして、これを体内に戻しまして、この細胞がリンパ腺に集まったころ合いを見計らって自爆させることにより抗がん剤を放出させまして、従来の二百倍の高率でがん細胞を死滅させる治療法であり、三年後の実用化をもくろんでおります。  第二の質問でございます。がんセンターへの重粒子線・陽子線治療機器の導入についていかに考えるかのお尋ねでございます。  現在、重粒子線治療施設が全国で二カ所、陽子線治療施設が五カ所稼働しております。これらの運営については、兵庫県立粒子線医療センターを例にとりますと、施設、設備の費用が二百十三億円、患者様からいただく自己負担額が一件当たり約三百万円、十六年度決算では、一般会計負担金から六億八千万ちょうだいしても、実質損失十六億円と公表されております。  このように高額な設備費を要すること、患者様の自己負担金が高額なこと、多額な運営経費がかかることから考えますと、私ども、現在、病院事業庁といたしましては、平成十二年度までの経営改善行動計画を進めている現状では、このような整備は難しいものと考えておりますので、御理解をちょうだいしたいと考えております。  第三の質問でございます。がん専門医の育成についてでございます。  がんセンターにおきましては、がん専門医の育成を目標に二年間、がんに関する専門知識及び技術を習得するレジデント制度を昭和六十一年度から設けており、これまでに四百六十五名の専門医を目指す医師を育成してまいりました。本年度のレジデント受け入れ数は三十二名でございます。  また、全国の医療機関から研修を希望する医師を研修生として積極的に受け入れております。その受け入れ数は、本年度は三十四名でございます。  がん専門医の育成は、がんセンターとしての使命であるとともに、優秀な医師を確保することにもつながることから、研修カリキュラムのさらなる充実、レジデント受け入れ枠の拡大、研修生の積極的な受け入れを図っていきたいと考えております。  なお、がんセンターにおける放射線治療の専門医は、放射線治療部門の医師の三名のうち二名が、先ほど議員御指摘の日本放射線腫瘍学会四百名のうちの二名を占めております。そしてまたもう一名、同部門では放射線治療の専門スタッフがおり、都合三名で放射線治療を行っております。同部門では、これまでに二十七名のレジデントを受け入れ、放射線治療の専門医を目指す医師の育成に努めております。なお、二名のレジデント及び三名の研修生を現在受け入れ中でございます。  なお、私の答弁の中で、十二年度と発言したものは二十年度、経営改善行動計画、二十年度終了予定の経営改善行動計画というふうに訂正いたします。  以上でございます。 8: ◯副議長佐宗靖広君) 進行いたします。  鈴木愿議員。     〔四十七番鈴木愿君登壇〕(拍手) 9: ◯四十七番(鈴木愿君) 新生田原市になって最初の質問であります。通告に従って、きょうは大きく二点の問題について質問をいたします。  今定例会冒頭の神田知事を初め、各党代表質問や一般質問の中でも皆さん一様に、愛知万博が成功裏に終結し、高い評価を受けて閉幕した。この成果を今後の地域づくりに生かしていきたい、こういった旨のお話がありましたが、全く私も同感であります。  愛知県はここ十数年来、万博と中部国際空港、それに関連した伊勢湾岸自動車道、第二東名、あるいは東海環状、知多半島道路などのいわゆる幹線道路の整備を三点セットとして、見事な連係プレーで計画どおり整備、成功に導いてこられたことは、まさに県政史上特筆すべき、史実に残るプロジェクト事業であったと思います。これまで御苦労された多くの関係者の皆様に感謝と敬意を申し上げたいと思います。  さて、まだ少し早いと思いますが、ことしもあとわずか九十日で終わります。この一年を振り返ってみますと、まさかまさかの、しかも、私にとっても明るいまさかの一年であったと思います。  まさか千五百万人の目標の万博が二千二百万人の入場になろうとは、セントレア中部国際空港も一千万人を超す見学あるいは利用者があるとは、これもまさか予想もし得なかったことであります。八月には、よもや衆議院が解散するとは、しかも、その結果はまさかでありました。  そして、地元の渥美半島においてはもう幾つかまさかがありました。一たんは五年前破綻したあの三町合併も、二転三転の末、この十月一日には見事渥美町と合併し、長年の半島の夢がかない、名実ともに半島が一つになりました。新生田原市としていよいよスタートしたわけであります。合併記念式典には、神田知事にも二回もおいでをいただき、川上議長にもお出かけいただきました。ありがとうございました。  最後にもう一つのまさかであります。今のこの厳しいいろんな経済情勢の中で、国内大手の製鉄会社が田原臨海に進出するということであります。これは、先月の九月十三日の県企業庁と会社側との間で臨海四区に百四・五ヘクタールの土地譲渡契約がなされたことであります。  東京製鉄株式会社は国内大手の電炉メーカーであり、まさかこの時期に百ヘクタールを超える用地取得は、かつてのトヨタ自動車が田原に進出した、それに次ぐ大規模な立地であります。これもここ数年来、企業庁長先頭に職員が一丸となって企業訪問あるいは企業誘致活動に取り組んでこられたその成果であったと思います。  契約締結当日、九月十三日、その日の東京製鉄株式会社の池谷社長が神田知事を表敬訪問されたときの新聞記事に、企業庁は打診してから、つまり田原へ進出したい、愛知県へ立地したい、その打診してからの対応が非常に早く、感謝している、これは池谷社長の談話でありますが、そんな記事を読みました。地域活性化のためにも、また、持続する愛知県政の活力のためにも、この進出は大歓迎するものであり、一連の企業庁の頑張りには感謝しております。  さて、本題、ここからでありますが、私はこれまで六年間、この場で愛知県政の均衡ある発展、これをひたすら願って、その時々の課題について幾つかお尋ねしてまいりました。とりわけ、東三河地域における産業振興と活性化のもととなる広域幹線道路網の整備や三河港へのアクセス道路、あるいは渋滞解消策など、幾度となく訴えてまいりました。これに呼応して二十三号バイバス初め、国道二百五十九号植田あるいは田原バイパス、そしてこの九月三十日には、有料であった豊川橋の無料化も実現していただきました。さらには、今年度からは豊橋明海地区の渋滞解消策のため、右折車線の増設に設計、施工、あるいは早ければ今年度着工される見通しも立てていただき、着実に実施に向け取り組んでいただいております。これはこれとしてありがたく思っておりますが、実は、今申し上げたこれらはいずれも暫定的な、つまり、対症療法的な対策であって、私がいつも申し上げている念願の東名高速道路から渥美半島に直結するような抜本対策ではないと思っております。  空港、万博により、周辺はもちろん広域幹線道の整備は想像以上のでき上がりで、これからの波及効果は、県にとってもさらにさらに大きな期待が寄せられております。  さて、ポスト万博、いよいよ東三河の出番がやってくる、こんな期待が地元では今沸き上がっております。  先般の衆議院選挙中の渥美半島での話題は、郵政問題は全く別として、専らどこの会場でも渥美半島の、もうこれ以上陸の孤島にさせないでほしい、同じような半島が愛知県に二つありながら、何で知多半島に比べてこんなにおくれているのか、渥美半島も県政に対してはそう背いたことはない、まじめにやってきたつもりだが、県は何を考えておるのか、こんな話が実は選挙中ありまして、自分としては全くやるせない思いの十二日間でありました。  こうしたことから、我々自民党東三河県議団としても、あるいは経済団体、あるいは東三河の十七の議会、あるいは首長、いろいろそろって何回も、折々に当局にお願いをしてまいりました。  こういうことをしながら、何でまたここでと皆さんお思いでしょうが、あえて今回は、先ほど申し上げました大規模な進出企業を迎えること、そして念願の半島が一つになった二度とない絶好の機会でありますので、この際、改めて道路問題を含めてお尋ねするものであります。  では、第一点目に、企業庁長にお伺いをいたします。このほど土地譲渡契約をした東京製鉄株式会社の進出計画の概要をまずお伺いいたします。  二点目に、この埋め立て計画と、このというより東三河全体の埋め立て計画と企業進出に当たっての道路整備を初めとした受け入れ体制についてどのように努力をしていかれるのか、お伺いします。  例えば、民間での、きのうも愛知県開発指導要綱の話が出ましたが、例えば民間で百ヘクタールの開発行為の場合、まず取りつけ道路とか、あるいは進入道路、あるいは周辺の環境対策、ひいては、その会社の従業員の規模にもよりますが、住宅対策からあるいは下水道整備など、開発行為者としても、いわゆる企業者としてのあらゆる負担が条件づけられるとか、あるいはやってほしいとかいう注文がつくのが一般的には常であります。企業庁は、公営のいわば不動産屋であり、開発会社でもあります。むしろ、先ほど申し上げた民間開発行為の先導的な役割を果たす立場にあるはずだと思っております。今回進出するに当たって、会社側からもいろいろな条件やあるいは要望があったかもわかりません。そこで、この受け入れに当たっての基本的な心構えをお聞かせください。  第三点目、道路問題について建設部長にお尋ねいたします。  臨海部への企業誘致のためには、まずしっかりした幹線道路をなすべきだという質問を私は何回も、近くでは昨年の二月議会でお尋ねをしてまいりました。時の企業庁長のお答えはこうであります。田原四区に、四区というのは今回東京製鉄が出るところであります、今回進出する田原四区につきましては、今後、企業の引き合い状況を勘案しながら整備を進めさせていただきたいと、こんなふうに思っておりますという御答弁でありました。また、時の馬場建設部長はこれに関連して、東三河幹線道路は企業庁とも十分連携をとりながら、これらの道路というのは単に造成地へのアクセス機能というだけでやっているのではない。渥美半島、さらには東三河地域の発展に大きく貢献する道路という認識でおりますので、今後ともその整備促進に一生懸命頑張っていきたいというふうに思っております。  いずれも、思っておりますというお答えでありましたが、東三河臨海工業用地は、御案内のように、現在、計画は二千三百ヘクタール、そのうちの田原臨海には約千百ヘクタール。いまだ、実はこれだけの用地がありながら、あるいはトヨタがあり、今度東鉄が来る、こういった用地がありながら、いまだ実はこれは完全な幹線道路で中も結ばれておりませんし、高速道路とも一直線には結んでおりません。大手企業もこうして決定し、数年後には着工し、操業するものと当然思いますが、早急に具体化すべき時期が来たと思います。  これからは、当然自動車の時代でもありますし、地域の発展には高速道路のアクセスの利便性が大きく問われる時代であります。そこで、渥美半島から高速道路までの交通時間短縮、つまり言いたいのは渥美縦貫道のことでありますが、平たく言いますと、田原から高速道路へどう逃げ出すか、早く逃げ出すか、このお考えを明確に建設部長にお尋ねしたいと思います。  この問題については、臨海企業の進出と道路問題を含めて、神田知事にもお答えいただけたらありがたいと思います。  続けて、大きく二番目に入ります。渥美半島の津波対策についてであります。  地元のことばかりで恐縮ですが、一昨年十二月、県内の大部分の市町村が東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されました。地域対策につきましては、これまでこの場でたびたび議論されたところでありますが、きょうは、地元渥美半島における津波対策について幾つかお伺いします。  渥美半島の太平洋岸は、東南海地震の場合、あるいは東海地震でもそうですが、最も早く影響を受けやすい地理的条件にあります。地図でごらんのとおりであります。  昨年の台風については、昨日もありましたが、十個が日本へ上陸したそうであります。ほとんどの方々は記憶に残っていないと思いますが、実は、台風九号、十号により、その台風の高潮のために、渥美半島先端の日出海岸、伊良湖近くですが、ビューホテルの真下の海岸はこの大波により約数百メートルにわたって、実はあの太平洋自転車道とともに、日出海岸、日出園地、遊園地があるんですが、それが台風のために一瞬のうちに崩れてしまいました。海の中に流れてしまいました。その被害額は約八億円もかかっております。県は早速、災害補正予算を組んでいただき、今、復旧工事に取りかかっていただいておりますが、また、時を同じく昨年の九月五日深夜、二回にわたり紀伊半島及び東海道沖を震源とする震度五弱の地震が発生しました。これも地元渥美半島の市民以外はほとんど皆さん記憶にないと思います。実はこのとき、午後十一時五十七分のとき、二回目の地震であります。地震から六分後の九月六日の午前零時三分、気象庁から「ひまわり」衛星を通じて、愛知県外海、つまり表浜海岸に気象庁から津波警報が発令されたのであります。  田原市では、この「ひまわり」からの警報を、今はITで自動的に防災対策室が受信することになっております。気象庁の発表と同時に市の防災対策室が受信し、その受信と同時に、警報の場合は一斉に太平洋岸に設置してあります同報装置により、避難広報を同時にします。気象庁が六分に発表しますと、数分後にはもう太平洋岸に避難広報が発令されます。渥美町も同じように同報装置により、これは役場の行政無線を使って海岸に避難放送したために、一部住民の方々は避難をいたしました。幸いにも、当日は大潮と干潮の重なりで、津波も大したことなく事なきを得たのでありました。  御存じのように、いつも私がここで申し上げておる渥美半島は、地理的に見て太平洋岸に直接面しておりまして、愛知県土の一つ大きな防波堤の役目を果たしているのが我が渥美半島であります。  東南海地震が発生した場合、この半島に到達する津波の第一波は、わずか二十分から三十分で到達すると言われております。三メートルから七メートルの津波が想定されておりますが、万が一スマトラ沖地震のような十メートルにも及ぶ大津波が来たならばどうすべきか、全く見当がつきません。赤羽根漁港付近や渥美の堀切、伊良湖、あるいは日出地区等は標高が三メートルから高いところで五メートルぐらい、大変低いところであります。想定以上の津波に対しては、現状では全く無防備、策のない地帯であります。  もちろん、市町では防災マップを作成し、全戸に配布したり、海岸への先ほどの防災無線同報装置をつけたり、あるいは自主防災会での避難訓練、ことしもつい先日、太平洋岸でのサーファーや、あるいは釣り人を対象にした大がかりな海の、海岸線の避難訓練を実施し、自主防災に取り組んでおります。しかし、大地震、この津波対策については、ほとんどの市民も経験もない上、国や県が発表する被害想定ばかり先行し、ただただ不安が募るばかりで、策がなく、心配でなりません。  そこで質問をいたします。津波対策としての第一点目、渥美外海沿岸に、いわゆる外海に、海面の水位、潮位がわかる潮位計の設置ができないかというお尋ねであります。  以前、赤羽根漁港にあったとは聞いておりますが、今はありません。名古屋気象台にお聞きしたところ、愛知県内には、名古屋港と衣浦港などに設置してあるとお聞きしました。愛知県外海へも設置の計画はあるようでありますが、具体的にはまだ決まっておりません。  国や県が管理している一級河川あるいは二級河川のほとんどに水位計なるものが当然設置されているはずです。渥美半島といえども、六万六千人人が住んでおります。外海には高豊・赤羽根・伊良湖港と幾つもの港があります。そこで、こういった港、港内に、潮位計というのかあるいは水位計というのか、こういうものを設置して津波対策に活用できないものか、あるいはそれが役に立つものかどうか、そんなことをまず第一点目にお伺いいたします。  次に、今定例会のこの九月補正予算にも海岸保全費の中に津波対策海岸特別緊急事業費として、内海に面した南知多あるいは田原・渥美海岸に対して二億一千四百万円の工事が組まれております。これは、堤防のかさ上げ工事等だと思いますが、まことに時宜を得た措置だと思います。  そこで、二点目の質問としてお尋ねします。万が一想定以上の津波が襲来した場合、先ほどの渥美の堀切・伊良湖海岸のように真正面から津波を受ける海岸に対して、現在沖合に設置されている離岸堤の大きなようなもの、いわゆる工作物の大きなような離岸堤なり潜堤なり、つまり波を少しでも沖合で和らげる対策はできないものか、これもお伺いしておきます。また、津波に対しては、避難することが重要であり、市町村もその対策に取り組んでおりますが、県としてどのような支援を行っているのかお伺いします。  以上で壇上からの質問とさせていただきます。(拍手) 10: ◯企業庁長福間克彦君) 今回の東京製鉄株式会社の進出につきましての御質問をいただきましたが、まず、東京製鉄株式会社の進出計画の概要でございますが、企業から伺っておりますところによりますと、同社は現在、日本におきまして四つの工場を有していると。それで、今回の新たな新工場、これは最も大きな岡山工場の倍を超えます敷地面積、これを有する、最新鋭設備を備えました高品質の鋼材を生産する拠点工場ということでございまして、工場建設計画を来年中にまとめまして、平成十九年四月に建設に着手と、それから、操業開始は平成二十一年の四月の予定というふうに伺っております。  それから、企業進出に当たっての企業庁の基本的な心構えについてのお尋ねでございますが、企業庁といたしましても、進出していただく企業の企業活動に支障がないように、インフラ整備などを初めといたしまして、さまざまな条件整備に取り組んでいるところでございます。  今回のその東京製鉄株式会社が進出されます田原四区につきましても、これはまだ現在造成中ということでございますが、これから早急に整備をしてまいりまして、その主な工事内容といたしましては、上水道が約二・一キロメートル、工業用水を約四・五キロメートル、また、アクセス道路整備については田原ふ頭から田原四区につながります臨港道路の田原線約一・九メートルの整備などがあるわけでございます。また、電力につきましては、この工場が特別高圧電力を使用するということでございまして、鉄塔の建てかえなど大がかりな工事になると、そういうことで中部電力の方からも聞いております。  いずれにしましても、田原市及び関係部局と連絡調整を密にいたしまして、平成二十一年四月の工場操業時期までには必要な整備を進めてまいる予定でございます。  恐れ入ります。先ほど、臨港道路につきまして一・九メートルと言いましたが、一・九キロメートルでございます。失礼いたしました。訂正させていただきます。 11: ◯建設部長藤井則義君) 次に、渥美半島から高速道路までの交通時間の短縮についてのお尋ねでございます。  渥美半島及び三河港周辺地域の利便性の向上のためには、半島内の定時性の確保と名豊道路へのアクセス、また、名豊道路を経由した東名高速へのアクセス強化が重要であると考えております。このため、渥美半島から名豊道路に至るアクセスにつきましては、国道二百五十九号のバイパス整備や主要地方道豊橋渥美線の交差点改良などを進めております。  次に、音羽蒲郡インターチェンジへのアクセスにつきましては、整備が進められております名豊道路の東三河インターチェンジまでの開通に合わせ、主要地方道東三河環状線と国道一号との立体交差事業を進めることといたしております。  また、豊川インターチェンジへのアクセスにつきましては、国道百五十一号と国道一号との交差点の立体化について、今後の交通状況を勘案しつつ検討してまいりたいと考えております。  当地域の発展には、これらの道路や東三河環状線などの幹線道路の整備が重要であり、今後ともその整備を着実に進めてまいりたいと考えております。  次に、渥美半島の津波対策についてのお尋ねでございます。  初めに、津波対策としての潮位計の設置についてでございますが、本県管理の潮位計は、現在、三河港神野地区を初め、湾内八カ所に設置されております。これらの潮位計は、日常の天文観測のほか、高潮などの異常潮位を観測し、市町村が適切な避難情報が出せるよう情報提供を行う災害対策を目的に設置したものであります。  津波は、潮位が徐々に上昇する高潮とは異なり、一気に押し寄せてまいることから、渥美半島沿岸部の港内に設置する潮位計では、襲来した津波の観測はできますものの、避難情報として活用することは困難であると考えております。  次に、想定以上の津波が襲来した場合の対策についてでございます。  津波の波力にはすさまじいものがありますので、渥美半島に設置されている離岸堤などでは津波を減衰させることは困難であると考えております。しかし、浸食対策として整備を進めております離岸堤などにより回復する砂浜は、海岸線の防護機能を向上させるものと考えております。  以上でございます。
    12: ◯防災局長恩田正美君) 津波対策のお尋ねのうち、避難対策の支援についてでございますが、津波から身を守るためには、津波に対する正しい知識を身につけ、防災意識を高める必要がございます。また、津波に対してはできる限り早く高台へ避難をすることが重要でございます。  このため、県では「市町村津波避難計画策定の手引き」を作成をしまして、津波避難対象区域や避難場所・経路、津波予報等の情報収集・伝達の手順、それから避難勧告・指示の発令基準等を盛り込みました津波避難計画を市町村が容易に作成できるように支援をいたしております。  また、市町村が津波避難のための誘導標識を設置する場合、それから、自主防災組織や、消防団の防災資機材や収納庫を整備する場合、それから啓発事業を実施する場合にそれぞれ助成をすることにいたしております。  また、強い地震を感じたとき、あるいは弱い地震であっても長い時間ゆっくりとした揺れを感じたときには、直ちに浜辺から離れ、安全な場所に避難していただく、このことが徹底されますように、今後とも啓発に力を入れてまいります。 13: ◯知事神田真秋君) 企業立地について私からもお答えを申し上げたいと思います。  自治体間におきます企業誘致競争、昨今、大変厳しいものがございます。そうした中で、本県におきましても、さまざまな誘致策、これを講じ、今、積極的に企業誘致に努めているところでございます。ここ数年、企業庁には、年間一千社を目標に企業訪問すると、このような方針で一生懸命今動いているところでございまして、そうした努力のかいもあって、御質問をいただきました東京製鉄株式会社のこのたびの誘致につながったものと喜んでいるところでございます。  今回のこの東京製鉄株式会社の誘致でございますが、規模から見まして、昭和四十九年のトヨタ自動車田原工場以来という大規模なものでございまして、したがって、三十年来の大規模な誘致になるものと思っております。  この東京製鉄株式会社でございますが、鉄スクラップを主に原料といたします電気炉製鉄の業界の最大手でございます。そういう内容の会社でありますので、物づくり日本一のこの愛知県にとりまして、こうした資源の再利用、再生利用をする工場の立地というのは、循環型地域形成を目指しております私どもこの地域にとりましても大変意義深い誘致であろうと考えているところでございます。  また、今回の規模からいたしまして、多額の投資、多くの雇用、あるいは関連企業の進出も期待されるわけでございまして、渥美半島はもちろんでありますけれども、東三河一帯におきましても大いに活性化につながっていくんではないかと思っているところでございます。  そういう大きな新工場の期待が高まっている中でありますので、この工場の計画が順調に、計画どおり進展いたしますよう、県としても御支援を申し上げていきたいと思っております。 14: ◯四十七番(鈴木愿君) 関連して、一、二御要望いたします。  けさ、私も田原を七時前に車で、実は県庁まで参ったんですが、いつも申し上げております豊橋の三河港の明海周辺の臨港道路であります。毎回のように、七時前というのに、臨海道路、明海の辺、あるいははみ出た車が国道二百五十九号へ出て、いわゆるいずれも通勤車で、臨海へ向かう車であります。  先ほど、企業庁長から、この新しい東鉄、製鉄会社が何人の雇用があるかお話がなかったんですが、例えば五、六百人とか一千名、あの道路の中へまたこう、新しい雇用があるいは従業員が入ると大変だなと、けさ、対向車線で相手の車を見ながら通ってくるんですが、いつも申し上げておる、本当に胸の痛む思いで実は通っております。  常滑空港のところに、今、中部臨空タウンを企業庁が開発しておりますが、まさに最初からあのように鉄道を敷き、あるいは高速道路からいきなり企業用地、会社の用地に乗り入れる、こういった手法をやるべきなのが、実は、本来の開発手法であります。先ほど申し上げたとおり、企業の引き合い状況を見てからインフラ整備を考えていくという、言葉は大変失礼ですが、こういうのをつまり泥縄と言うんです。泥縄方式では、もうこれから企業は来ないと思います。  いい企業誘致というのは、いろんな条件を整備しておいて「さあいらっしゃい」、こうでないとこれからは、競争の時代は来ないと思いますので、ぜひ、まだ田原地区には御案内の未処分用地、企業庁が計画しておる用地だけでもこの東京製鉄以外に三百ヘクタールぐらい、実はまだ計画としては残っておるんです。その都度道路をしたり、先ほど部長がおっしゃったいろんな改良工事をやっていただくんですが、抜本的な対策にはならないはずなんですよ。東名から一時間、高速を一時間かかって企業用地へ入る、そんな港は全国ほとんどないはずなんです。だから、私が申し上げておるのは、そういう抜本的な、幹線道路網整備をこの際やってほしい、こう申し上げたんですが、部長さんも、藤井部長も、私がここへ来て六年になりますが、四人目の部長さんなんですよ。平均すると二年ごと部長さんおかわりになっておったら、なかなか県政の大きな幹線道路とか基幹道路の設計が、絵がかけないんじゃないかなという、そんな気がいたしておりますが、あんまり愚痴を言ってもいけません。  とにかく、いい企業が来るならば、万博と同じように、神田知事が申しておりました愛知県で万博を開催して本当によかった、そういう思いのように、今までいる、来た企業も、先ほどの新しくこれから愛知県へ立地する、そういった企業の方々が後々愛知県に立地して本当によかったと、そんなようなことを、ぜひ長期的視野に立ってやってほしい、こういうのが実はきょうの願いでありますし、いつも申し上げている趣旨であります。どうぞよろしくお願いします。  それから、地震でありますが、実は、先ほどちょっと申し上げたとおり、県の発表によりますと、昨年発表しましたこの東海地震、東南海地震が例えば同時に発生した場合、しかも、朝の五時という、早朝五時に発生した場合の仮定で、被害予測では、例えば愛知県の県下では全壊棟数は九万八千戸、新しいこの渥美半島、新田原市では五千二百三十戸が全壊するという、あるいは人的被害では、愛知県の全体の死者は二千四百人、負傷者は六万六千人、この渥美半島、今の新しい田原市では死者百八十人、負傷者千九百人、こういう想定を昨年の県の防災局が発表いたしております。  先ほど防災局長言うように、津波が来たらまず逃げることだと、これが大津波の場合、手はずがないと、こういうことだろうと思います。二十分、三十分の間に来たらまあそうだと思いますが、まずは逃げることは逃げますが、先ほど申し上げた太平洋岸のいきなりもろに波を受けるところは、部長おっしゃったような、少しでも波を和らげる離岸堤あるいは潜堤みたいなもの、こういうものも、先ほど申し上げた台風ですら海岸が崩れてしまうんですから、何十億という被害を受けるんですから、その離岸堤なり海岸侵食防止対策はまだまだおくれておると、こういうことですから、直接津波には、対策には効果ないかもわかりませんが、渥美半島のやせた海岸を守るため、あるいはウミガメが喜んで上がってくる、そんな海岸保全のためにも、ぜひ地震・津波対策とあわせて、今後とも離岸堤なり潜堤という海岸浸食事業を積極的に、大きな気持ちで進めていただきたい、こんな御要望を申し上げて、終わります。ありがとうございました。     ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 15: ◯四十番(三浦孝司君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 16: ◯副議長佐宗靖広君) 三浦孝司議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 17: ◯副議長佐宗靖広君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時二十五分休憩     ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 18: ◯議長川上万一郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  神野博史議員。     〔二十三番神野博史君登壇〕(拍手) 19: ◯二十三番(神野博史君) 議長のお許しを得ましたので、さきに通告いたしました順序に従いまして、順次質問させていただきます。  去る九月二十五日に、延べ入場者数二千二百万人以上という大成功をおさめた万博が閉幕いたしました。ことしの愛知は、中部国際空港の開港と愛知万博の開催という二大事業が成功し、「元気な愛知」が流行語となるほど活気あふれる年となりました。今後はこの成果を生かし、さらなる発展を遂げるため、しっかりとした愛知の基盤づくりを行っていかなければならないと考えております。このような観点から、初めに教育問題について三点質問させていただきます。  まず一点目は、新生愛知の教育についてであります。  我が国は、少子化の進展により、平成十八年をピークに人口減少社会へ移行すると予測されております。人口の減少は、優秀な人材の絶対数の減少につながり、それに対応するには、人的資源の質を高め、一人一人の生産性を高めることが必要であります。こうした現状を踏まえ、国におきましては、新しい時代の義務教育を創造するという視点から、義務教育の質の向上を目指した新しい我が国の教育への取り組みを始めております。  本県は、製造品出荷額二十八年連続全国第一位を誇る物づくりの県であります。そのすぐれた技術やノウハウを維持、継続していくには、人材育成は不可欠であり、人口規模の変化に適応した社会経済環境の整備は行政の責務であります。  国家の根幹は人であり、それを形成するのは教育であります。ところが今、その人づくりにおいて最も基本となる教育が荒廃しております。社会経済環境や価値観の変化、あるいは核家族化などにより、学校、地域、家庭など、社会全体の教育力が低下したこともその大きな要因であります。その結果、平衡感覚を失った多くの日本人を世に送り出し、犯罪の激増、学級崩壊、いじめ、不登校、暴力行為、多数のニート、フリーターを生み出すこととなりました。国や地域の将来のためにも、ぜひとも荒廃した教育を立て直し、子供たちを誇りの持てる一人前の大人に育てなければなりません。  愛知の教育を考える懇談会の最終報告では、今後の教育の柱を、善悪をわきまえ、他人を思いやる心と社会で役立つための意欲、力を子供たちが身につけ、社会で役立とうという心構えをはぐくむこととうたっております。私は常々、子供たちに対する心の教育の充実が大切であると考えておりましたが、その意味からも、最終報告の提言は、まさに教育をめぐる今日的課題を浮き彫りにし、今最も教育に求められている心育てを目標としたものであると言えます。  今後は、この提言をいかに具現化していくかについて本格的に検討されることとなりますが、その際には、ほかにはない、これぞ愛知の教育と言える特色がなければなりません。愛知万博で得た大きな成果や、物づくり県愛知としての特色を生かした取り組みなどにより、愛知の特色や将来方向を踏まえた時代変化に対応する人づくりを実現させて、ぜひとも愛知の未来を創造する人を育てていきたいと考えております。  そこで、教育委員会として、本県の特色を生かした教育施策の方向並びに具体的取り組みについてどのように考えておられるのか、教育長の所見をお尋ねいたします。  二点目は、郷土の歴史と伝統文化の継承についてであります。  空港の開港と万博の開催は、子供たちにとって、世界を広く知るとともに、自分たちの国や郷土を知る絶好の機会となりました。特に百二十一カ国が参加した万博、そして一市町村一国フレンドシップ事業は、子供たちが国際感覚を養う上で非常に貴重で有意義な体験となりました。さまざまな国の歴史や伝統文化、あるいはその国の人々を知ることで、改めて、我が国、我が郷土について見直すことができたのではないかと思います。  万博期間中、連日、参加各国や日本の各地の伝統芸能が紹介されましたが、そこでは、だれもが自信と誇りを持って国や地域の伝統文化を披露していたことが強く印象に残っております。  私はフレンドシップ事業でトルコの人と親しく話す機会を得ましたが、その折、トルコの人から、日本人はもっと自分の国の伝統や文化に誇りを持つべきではないのかとの指摘を受けました。確かに、私自身も以前からアイデンティティーの欠如が現在のような自信や誇りの持てない日本人の増加につながっているのではないかと感じておりました。  しかし、四月に行われた愛知県ウイークにおける県内の山車百台総ぞろえの折、地元の祭り文化を披露する若者たちは、ふだん見ることのない生き生きとした表情で活動しておりました。その姿は、山車の壮観さとともに強く印象に残っております。国や郷土の伝統文化に対する誇りが若者に自信とやる気を起こさせ、あのような感動的なシーンになったのだと思います。  長い歴史の中から生まれ、守り伝えられてきた郷土の歴史や伝統文化は、我が国の貴重な財産であります。その財産を次代を担う子供たちに伝えていくことは、ただ伝統文化の継承ということだけではなく、郷土に対する誇りと豊かな人間性をはぐくむ大切な学習でもあります。懇談会の最終報告におきましても、自分たちの国や地域の歴史や伝統文化に対する理解を深め、これらを愛する心を育成するとともに、広い視野を持って異文化を理解し、異なる習慣や文化を持った人々とともに生きていくために、資質を養っていくことが必要であるとされております。  国際感覚豊かな人となるためには、まず、自分の国や郷土の歴史や伝統文化に誇りを持つことが必要であります。我が国、我が郷土に対する知識や愛する心がなくては、異文化や外国人を理解し尊重する心は生まれません。また、地域の発展は、その地域の持つ特性を基盤として成り立つものであります。そのため、愛知の教育を推進する上で、学校教育の中に地域の伝統文化の学習を取り入れ、子供たちの郷土を愛する心をはぐくむことは、それこそ地域に根差した教育であると思います。  そこで、学校教育の中でどのように郷土の伝統文化を取り入れているのか、また、その充実に向けて今後どのように取り組んでいかれるのかを、あわせてお尋ねいたします。  三点目は、学校評価についてであります。  もとより学校教育は、社会教育と並び人材育成において基本となるものでありますが、その中心は何といっても授業内容であります。そして、その授業の質を高めるためには、学校教育の直接の担い手である教員の指導力の向上を図ることが最も重要であります。  この点、東海市のある中学校では、学校が一丸となって授業改革に取り組んでおります。すべての教員が年に一度は授業公開を行い、お互いに授業記録を細かく分析し合うことによって教員の力量向上を図り、自信とやる気を引き出しております。さらに、楽しくてわかりやすい授業が展開されることで、不登校の生徒も激減したと伺っております。  この学校の取り組みで特に注目すべき点は、一連の教育活動について、教員や生徒だけではなく、保護者など外部からの評価を積極的に取り入れていることであります。教員は、努力を認められることで自信と意欲がわいてまいります。また、指摘されたことは今後の授業の改善に生かすことができ、外部からの評価は教員に適度な緊張感を与えるとともに、使命感を持たせることにつながります。  このように、教育活動に対する学校の内外からの継続的な評価は、教員のたゆまぬ向上心を喚起し、指導力を向上させることになります。この研究事業は平成十四年度から導入されましたが、こうした意識改革によって教員に自信とやる気が芽生え、年々授業内容が向上しているとのことであります。  こうして質の高い授業が行われることは、子供たちの確かな学力を保証するとともに、子供たちが行きたくなる魅力ある学校づくりを実現させることになります。この事例からも、継続的な研究事業と、それに対する内・外部からの学校評価の導入は、学校づくりに非常に有効であると思います。ぜひ県内すべての学校で、評価にばらつきのないように、外部評価を取り入れていただきたいと考えております。  そこで、教員の資質向上はもとより、教育活動全般の充実を図るためには外部評価が非常に効果的であるという、そういった観点から、小中学校における学校評価について、教育長の所見と県内の実施状況についてお尋ねいたします。  次に、地域振興と中小企業対策についてお伺いいたします。  一点目は、新しいまちづくりの推進についてであります。  かつて中心市街地は町の顔としてさまざまな都市機能を集積し、経済社会活動を展開する場、あるいは文化、伝統をはぐくむコミュニティーの核として、地域の発展に重要な役割を果たしてまいりました。ところが、急速なモータリゼーションの進展や消費者のライフスタイルの多様化などによりまして、都市機能の郊外分散化が進み、商店街は空き店舗が増加し、大型店も撤去するなど、中心市街地の空洞化が各地で深刻な問題となっております。  こうした現状を踏まえ、平成十年に、改正都市計画法、中心市街地活性化法、大店立地法のいわゆるまちづくり三法が制定され、一府七省庁の連携による各種支援策が講じられました。それを受けて各市町村は、商店街やまちづくりの機関などと連携し、中心市街地の商業集積と商店街活性化のため、共同店舗の設置、駐車場整備等、商店街施設整備事業、空き店舗活用事業などの支援策を実施してまいりました。  しかしながら、七年経過した現在、当初期待されたような効果は上がっておらず、中心市街地の衰退は一層深刻になっております。それでも、各地の商店街では環境整備事業や各種イベントなどで集客努力を続け、何とか中心市街地を活性化しようと頑張っておりますが、個々の商店街の力では限界があります。  これまで地域の商店街は、単に買い物場所だけではなく、人、物、情報などの交流の場であり、コミュニティーの中心としての機能を果たしてまいりました。そのため、商店街の衰退に伴いコミュニティーとしての機能も衰退し、その結果、地域社会にさまざまな弊害を引き起こすこととなりました。例えば、遠くへ買い物に出かけるのが難しい高齢者にとって、歩いていける商店街が少なくなり、不便な生活を強いられております。また、人通りのない市街地では治安の悪化も心配されております。  こうした危機的状況を打開するため、日本商工会議所など中小企業四団体は、昨年九月の「まちづくりに関する要望」の提言に続き、ことし七月に「まちづくり推進のための新たな枠組みの構築に関する要望」を政府、国会などに提出いたしました。それは、従来のまちづくり三法を抜本的に見直し、新たなまちづくりを目指すまちづくり推進法の制定についてであります。  一方、国におきましては、昨年九月よりまちづくり三法の見直しを検討してまいりましたが、その中間報告の中で、今後の中心市街地活性化策の基本的な方向性として、コンパクトでにぎわいのあふれるまちづくりを提言いたしました。その内容は、一、都市機能全般の市街地集約を実現するための規制体系への移行、二、中心市街地活性化のため都市機能全般を強化するタウンマネジメント活動の機能拡充であります。  こうした考え方に基づき、公共交通を整備して都市機能を中心部に集約し、持続可能な都市を目指した取り組みがコンパクトシティー構想であります。その先進都市、青森市では、平成十二年から十六年の四年間で駅前の歩行者通行量が約四割増加、平日では四千五百二十八人が六千四人に、また、休日では五千五百四十四人が七千八百九十六人と、そんな成果が上がってきていると伺っております。  来るべき人口減少・少子高齢・資源循環型社会を見越せば、都市機能は郊外へ分散化するよりも、既存の都市中心部に重点的に投資すべきであり、それは単に商店街の活性化にとどまらず、コミュニティーマネジメントであると考えております。地方財政の逼迫する中、社会経済環境の変化とともに、まちづくりの考え方も成長志向から持続可能へと変化いたしました。こうした現状を踏まえ、地域社会と行政の連携と協力のもと、新しい時代に適合した、歩いて暮らせるまちづくりの推進を期待するものであります。  そこで、今後新しいまちづくりを進めるに当たり、中心市街地・商店街活性化について県としてはどのように考え、取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。  二点目は、中小企業の人材育成・確保についてであります。  九月に発表された日銀短観では、景況感の改善は続く見込みであり、大企業につられる形で、中小企業も限定的ながら改善する見込みであるとの予測が出されました。  本県の景況は、主要産業であります自動車産業とその関連産業が好調であることに加え、中部国際空港の開港と愛知万博の開催という二大事業の特需により、バブル崩壊以降最高の水準であると言われております。その好況を反映して、愛知労働局職業安定部が発表した平成十七年八月の県内労働市場によりますと、愛知の有効求人倍率は一・七一倍で、全国平均の〇・九七倍を大きく上回り、全国一の高さになっております。そのため、労働供給が需要に追いつかず、製造業、非製造業とも人手不足が大きな問題となっております。  その点、一部には万博閉幕後には一段落するとの見方もありますが、製造業の好調は今後も続くと予測されており、ある調査報告によりますと、万博関連を除外した有効求人倍率でも一・五倍超となり、人手不足が続く見通しであるとしております。こうした状況の中で、現場では必要な労働者数を確保できず、既存労働者への負担が増していることもあり、人材確保は緊急の重要課題であります。  そこで、人手不足を二つの観点から見てみますと、まず、職業によるミスマッチ、つまり企業側の求人ニーズの変化とバブル崩壊後の労働市場における構造変化による人手不足問題があります。例えば、平成十七年度一月時点の名古屋市内四カ所の職安の職業別求人倍率を見ますと、機械・電気技術者が二十三倍、情報処理技術者が八倍などといったように、企業の求める高レベルの人材が不足する一方で、スキルの低い労働者が増加したことによる人手不足であります。  二つ目は、人口動態の変化による人手不足問題であります。少子化に加え、平成十九年からいわゆる団塊の世代が大量に定年退職を迎えることにより、労働力不足の深刻化が以前から懸念されております。ある金融機関の調査によりますと、本県では、平成二十七年度時点における十五歳以上の労働力人口は、平成十二年の国勢調査時点と比較して約十一万人の減少ですが、このうち二十歳から五十九歳の働き盛りの労働力は、約二十八万人の減少となるとされております。しかも、労働者の確保という数だけのことではなく、団塊の世代が持つ技術力やノウハウの継承という問題も絡んでまいります。  愛知労働局の発表した県内企業の来春高校卒業予定者に対する求人倍率は、八月末時点で二・一九倍と七年ぶりに二倍を超え、有名大企業でも求人難であることが伝えられております。こうした現状において、中小企業の人材確保は一層困難になるということは明らかであります。  本県企業の九九%、従業員の七九%は中小企業であり、本県産業の活力の源泉として大きな役割を果たしております。したがって、将来にわたって継続的な発展を目指す本県として、中小企業の人材育成・確保の問題は、行政が率先して取り組む緊急かつ重要課題の一つであると考えております。  そこで、県として人手不足の現状をどう認識し、それに対して現在どのような対応策を行っておられるのか、またそれを踏まえた上で、今後どのような取り組みを行っていかれるのかをお尋ねいたします。  以上、さらなる愛知の発展に向け、具体的な施策の推進に県を挙げてしっかりと取り組んでいただくことを期待いたしまして、私の壇上での質問を終わります。(拍手) 20: ◯教育長伊藤敏雄君) 教育に関しまして三点の御質問をいただきました。お答えいたします。  最初に、本県の特色を生かした教育施策の方向並びに具体的取り組みについてのお尋ねでございます。  愛知の教育を考える懇談会の提言にあります善悪をわきまえ、他人を思いやる心と社会で役立つための意欲、力は、議員お示しのように、まさに今、教育として力を入れるべき重要な視点であると思っております。  その中でも、子供たちが善悪の判断など人間としてのモラルを身につけることや、他人を思いやる心など人間関係を築く力を培うことは最も重要な課題と受けとめておりまして、教育委員会では、学校と地域、家庭が結びついた道徳教育の推進や、総合的な学習の時間等を活用した職場体験などの取り組みを積極的に推進しているところであります。  今後は、特に子供同士、さらには親や地域の人々との心の触れ合い、結び合いに焦点を当てた教育に力を入れてまいりたいと考えているところでございます。  さらに、本県の特色を生かした具体的な取り組みでありますが、愛知万博での体験が子供たちの興味、関心の幅を広げ、学習意欲の向上に大きな効果が見られましたように、学校や地域においてこうした体験的な学習を積極的に展開してまいりたいと考えております。  また、物づくり県として地域の担い手となる人材の育成は大変重要でありますので、企業や大学の協力を得て実施をしております「あいち・知と技の探究教育特区」の取り組みをさらに進展させていくことなど、この地域の国際化も視野に入れつつ、本県の特色を生かした教育をさらに進めてまいりたいと考えております。  次に、郷土の伝統文化を学校教育の中でどのように取り入れているかとの御質問であります。  現在、県内の小中学校では、その道にたけた地域の人材を活用しながら、各教科や道徳、総合的な学習の時間などにおきまして、子供たちが身近な地域の伝統や文化に触れる活動や体験的な学習に取り組んでおります。とりわけ、総合的な学習の時間におきましては、小学校で約半数、中学校では四割程度の学校で、例えば、棒の手や子供歌舞伎などの伝統芸能を継承する活動や、歴史的遺物、民俗等の地域教材を取り入れた学習、あるいは陶芸、和太鼓などの伝統工芸や伝統音楽を習得する取り組みを行っております。さらに今年度、県内の六つの小中学校におきまして、我が国の伝統文化を尊重する教育に関する実践モデル事業にも取り組んでいるところでございます。  教育委員会といたしましては、小中学校において郷土の伝統文化を取り入れた教育活動が進められることは、子供たちに地域の一員としての自覚と郷土に対する愛着や誇りを高め、社会をたくましく生きる力をはぐくむ上でも大変有意義であると考えておりますので、今後とも伝統や文化とのかかわり合いを深める教育活動の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。  次に、学校評価についての御質問であります。  学校が、自己評価をもとに、保護者、地域住民、学校評議員などの学校改善への意欲や協力の意思を持つ方々の参加を得まして、情報や課題を共有しながら学校の改革、改善を進めていく外部評価を取り入れることは、地域に開かれ信頼される学校づくりを推進する上で重要であると考えております。平成十六年度におきまして、県内の七五%の公立小中学校で外部評価が導入をされております。  その成果といたしましては、議員もお触れになりましたように、外部の方々に授業を公開し感想や意見をいただくことで、指導に対する教員の意識が高まり、授業改善が図られた事例や、学校内部で気づかなかった観点からの示唆を受け、学校の行事の工夫、改善につながった事例、あるいは登下校時の安全指導体制の確立がなされた事例などが見られます。こうした効果的な事例をさまざまな機会を通して県内に普及しているところでございます。  現在、中央教育審議会でも、適切な外部評価の確立を期すためのガイドラインについての検討がなされております。教育委員会といたしましては、審議結果を踏まえつつ、客観的な外部評価の導入が一層図られるよう働きかけてまいりたいと考えております。  以上であります。 21: ◯産業労働部長平野洋君) 中心市街地及び商店街の活性化につきましてお答えを申し上げます。  県はこれまで、商店街みずから、あるいは市町村が行います商店街振興に対しまして、市街地再開発ビル商業施設整備事業やら、商店街アーケード整備事業など、県内各地域におきましてさまざまな支援をしてまいってきております。ただ、県全体を眺めてみますと、遺憾ながら、中心市街地の空洞化に歯どめがかかったと、こういう状況にはなっていないと感じているところでございます。  少子・高齢化が進んでいく、進展する中で、中心市街地からの都市機能の分散、これに歯どめをかけまして町中ににぎわいを取り戻し、商店街を活性化することが、商業振興のみならず本県のまちづくり、地域振興にとりましても重要な課題である、このように認識しているところでございます。  県としましては、本年一月に愛知県産業創造計画、これを策定いたしまして、今後の中心市街地・商店街振興策としまして、交流とにぎわいの創出、これを基本方針としました魅力ある商店街、まちづくりを目指すということにいたしてございます。  一方、国におかれましては、御指摘のとおり、現在、中心市街地活性化法を初めとしますいわゆるまちづくり三法、これの見直しの審議会が開催されておりまして、その中間取りまとめの案におきまして、今後の中心市街地施策の基本的な方向性としまして、コンパクトでにぎわいのあふれるまちづくりを提言されているということであります。  本県としましては、このような動向を踏まえまして、まちづくりの中心的役割を果たしております市町村やまちづくり機関等々などから幅広い意見をお聞きいたしまして、また他部局と連携をとりながら、かつこれまでの事業の評価を行いながら、中心市街地等の商店街活性化に向けた取り組みを進めてまいりたいと、かように考えております。  以上でございます。 22: ◯産業労働部理事(所晃君) 中小企業の人材育成・確保のうち、まず、人手不足の現状をどう認識し、どのような対策をとっているかとのお尋ねでございます。  先日愛知労働局が発表しました本県の八月の有効求人倍率は一・七一でございました。そして、従業員百人未満の企業の新規求人数も前年同月比で二一・三%の増となっております。また、本県の中小企業景況調査におきましても、雇用状況の判断指数で人手不足とする企業が過剰とする企業を上回る状態が一年以上続いております。
     これは、企業業績が改善傾向にあることや団塊世代の退職が間近であることなどによる求人の増加、さらに、年齢や能力、労働条件などのミスマッチによる採用難が大きな要因になっているものと認識しております。  こうした中で、本県では、新規学卒者等の就職面接会の開催や県立高等技術専門校における職業訓練の実施、ヤング・ジョブ・あいちにおける職業相談、就業体験事業などの諸施策を通して、中小企業の人材の確保の支援に努めているところであります。  次に、今後の取り組みについてでありますが、人口減少社会の到来が間近に迫る中、本県の持続的な成長を維持するためには、産業を支えている中小企業の活力と、そこで働く一人一人の職業能力の向上が不可欠であります。  そこで、平成十八年度から二十二年度までを計画期間とする第八次愛知県職業能力開発計画を策定する中で、中小企業が行う職業能力開発への支援、働く人の意欲と能力を引き出す職業能力開発機会の提供、企業OBを活用した技能継承の仕組みづくりなどについて検討してまいりたいと考えております。  また、中小企業が優秀な人材を確保、育成するためには、企業みずからが働きやすく、そして働きがいを実感できる職場づくりを進める必要がありますので、女性の活用や子育て支援の推進など、職場環境の整備のための普及活動にも力を注いでまいりたいと考えております。 23: ◯知事神田真秋君) 中心市街地・商店街活性化の取り組みについて、私からもお答えを申し上げます。  社会情勢の変化によりまして、現在、商店街は極めて厳しい状況に置かれております。県としても、これに対し、集中して効果的な振興を図る必要性を大いに感じているところでございます。  特に今後、少子・高齢化が急速に進展する中で、子供やお年寄りが気楽に歩いて利用できる商店街の復活というものは、地域コミュニティーを形成する上でも、まちづくりの点からも、すこぶる重要なことと認識しております。  国は現在、まちづくり三法見直しによる新しい施策の検討をしているところでございますが、県としては、国の動向もありますけれども、効果ある新たな商店街振興策を打ち出せるように、関係部局に指示をしたところでございます。  今後、地域の創意工夫による中心街・商店街活性化について、幅広い視点から検討をしてまいりたいと思っております。 24: ◯二十三番(神野博史君) ただいま、私の質問に対しましてそれぞれ御答弁をいただきましたが、二点要望させていただきます。  まず第一は、新生愛知の教育についてであります。  最近、電車の中などで平気で化粧をしている若い女性や、歩きながら物を食べている、飲食している日本人が目立ちます。こうした行為につきまして大学生にアンケートを調査しましたところ、「公衆の面前で化粧をすることがなぜ悪いのか。何も恥ずかしいことではない」とする答えが六〇%以上に上り、また、九〇%以上の人が「公衆の面前での化粧や歩きながらの飲食はよくないと学校や家庭で教えられたことはない」と答えております。このような道徳観の欠如、モラルの低下が我が国の現状であります。これでは日本の将来が大変心配であります。  今こそ教育を立て直し、子供たちを知育、徳育、体育のバランスのとれた人間に育てなければならないと思います。教育を重視するということは、未来に目を向けるということでございます。教育先進県として、これぞ愛知の教育といったような施策を展開して、いずれ地域に貢献できるような人づくりを推進していただくことを強く要望いたします。  二点目は、中小企業の人材育成・確保についてであります。  本年六月に、愛知中小企業家同友会が行った調査によりますと、非製造業では、事業上の現在の問題として「人材の確保」を挙げる中小企業が六割を超え、また、製造業では、経営戦略の重点として「人材の育成」が六四・三%と経営課題のトップとなっており、中小企業において人材育成や人材確保が大きな課題となっていることがうかがえます。しかしながら、体力の弱い中小企業にとっては、みずから人材育成を行うということは大変困難なことでございます。  本県の産業の大部分を支えているのは中小企業であり、そのため、愛知の産業振興を図る上で、中小企業に対する支援は不可欠であります。中小企業の持つすぐれた技術やノウハウを継承していくためにも、ぜひとも強力な中小企業の人材育成・確保支援を実施していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 25: ◯議長川上万一郎君) 進行いたします。  浜崎利生議員。     〔三十七番浜崎利生君登壇〕(拍手) 26: ◯三十七番(浜崎利生君) 通告に従い、「食と緑の基本計画」について順次質問をいたします。  初めに、農林水産業を取り巻く情勢認識について申し上げます。  二十一世紀は食と環境の時代と言われておりますように、安全で良質な農林水産物が確保され、自然災害から守られて緑と水に恵まれた環境の中で生活できることは、県民の安全で安心できる暮らしの基本であります。農林水産業は、自然の恵みを受けながら食を生み出す循環的な生産活動を基盤としてきており、私たちの生活と産業の原点であるということが言えようかと思います。  しかし、我が国の食料自給率は主要先進国の中でも最も低く、加えてBSEや鳥インフルエンザなどにより、食料などの安全、安定供給に不安感が高まってきているのも事実であります。また、手入れの行き届かない森林や耕作放棄地などが増加しており、森林、農地、海及び川が有する県土の保全や水源の涵養などの多面的機能が十分に発揮されるか、懸念されるところでもあります。  こうした背景の中で、本県は農林水産物の供給や多面的機能の発揮は農林水産業が適切に営まれることによりもたらされているものであり、七百二十万県民が同じ県土で暮らす生活者として、改めて暮らしを支えている身近な農林水産業を見詰め直し、こうしたことに積極的にかかわっていく必要があるとし、平成十六年四月に、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくり条例を施行し、この条例に基づき、本年二月に「食と緑の基本計画」を策定されました。  この基本計画が目指す二〇一〇年の農林水産業の姿は、環境への負荷が軽減され、愛知産の食料などの安全性が高まるとともに、地産地消により県民が健全な食生活を実践をし、多くの若者が農林水産業にチャレンジすることにより、農山漁村の活性化が図られ、ひいては多くの県民が農林水産業にかかわることで、その多面的機能に支えられ、森林、農地、海及び川に親しみ、健康でゆとりある豊かな暮らしを営む姿であろうと受けとめております。  一方、国際化が進展する中で、本格化するアジア各国との経済連携協定(EPA)の議論も進んでおり、農業分野の輸入自由化が大きな焦点にもなっております。そうした中で、担い手の育成や県内産食料の消費と利用促進、ブランド化など、我が県の農林水産業の課題は山積をいたしております。  それでは、基本計画の核となる先導的な取り組みとされる具体的な取り組みについて三点お伺いをいたします。  一点目は、鉄鋼スラグを活用した人工干潟の造成についてであります。  三河湾では、水質などの悪化に伴い、赤潮や貧酸素水が多発するようになり、漁業生産や海のレクリエーション活動に大きな影響を及ぼしています。こうした状況を踏まえ、県は、三河湾の環境改善のためには、貝類などの生育場であり、すぐれた水質浄化機能を有する天然干潟を保全するとともに、人工干潟を造成する必要があるとしております。鉄鋼スラグを活用した干潟造成は全国でも初の試みであり、注目もし、大きな期待を寄せているところでもあります。  三河湾の東三河地区では、一九六七年から一九九七年までに千七百八十五ヘクタールの干潟、浅場が埋め立てで失われ、並行して赤潮が多発し、夏の貧酸素化も進んでおります。埋め立てられた海域ではアサリの漁獲量が約一万トン減り、その漁獲量は現在の県内の年間漁獲量に匹敵するようであります。干潟の水質浄化にはアサリなどの二枚貝が大きな役割を果たしており、アサリの漁場であった干潟の埋め立てによって干潟の持つ水質浄化機能を失ったことが、現在の三河湾の環境悪化の要因の一つであるとされております。  このことは、水産海洋学会のことしの学会賞に選ばれました県水産試験場漁業生産研究所の鈴木さんの研究で、七〇年代から同湾で赤潮、貧酸素化が進んだのは、大規模な埋め立てで干潟を減らし、水質を浄化する機能が低下したからであるという研究結果がその裏づけをしているところでもあります。  こうしたことから、湾口部の中山水道航路でしゅんせつして出た砂を使って、国、県の環境修復事業として、湾内の三十九地区に六百二十ヘクタールの干潟、浅場などが再生をされました。三河湾の環境を修復するためには、引き続き干潟、浅場の造成が必要であると考えますが、中山水道のしゅんせつが終了したことから、造成に使用する砂の確保が大きな課題であると思われます。  そこでお伺いします。県は、不足する砂にかわって鉄鋼スラグを活用した干潟造成の技術開発に着手しておられますが、これまでの取り組みと今後の進め方についてお聞かせください。  次に、ハイテク、IT農業についてお伺いをいたします。  去る九月二十二日、私たち民主党愛知県議員団の農林水産研究会は、豊橋・田原・渥美地域におけるIT農業の取り組みについて視察調査を実施いたしました。  この地域での取り組みを少し紹介いたしますと、産・学・官の連携や広域連携及び産地型農業と地産地消型農業の共存をキーワードにし、農産物履歴情報システムの研究と導入や農業副産物資源化システムの研究と導入及び総合的な農業情報システムの導入など六項目を重点事業とし、積極的な展開を図っております。また、本年の八月五日、六日の両日にわたり、食と環境をテーマに、IT農業全国大会が豊橋市で開催をされました。この地域でのこうした数々の取り組みは、全国の中でもIT農業の先進地域として、現状の農業の抱えている課題解決に向けて積極的にチャレンジをしている姿であろうと実感をしたところであります。  こうした豊橋・田原・渥美地域は、御承知のとおり、全国一の農業生産地域でもあります。ちなみに、平成十五年における農業産出額の全国市町村別順位では、豊橋市が第一位で四百九十六億円、渥美町が第三位で三百八十七億円、そして田原市が第四位で三百三十五億円となっております。その合計額は一千二百十八億円であり、これを県別順位に当てはめてみますと、第二十八位の岐阜県、千二百三十九億円、第二十九位の徳島県、千二百一億円の間に位置する産出額を誇っております。  これだけの生産地域であるものの、農産物価格の低迷や農業後継者の問題、遊休農地の増加など、我が国、我が県農家が抱える構造的な課題は他の地域と全く同じであります。そして環境保全型農業や安全・安心への対応などさまざまな課題を解決し、時代の要請に対して早急にこたえるべく、有効な手段として、IT、情報通信技術に着目し、農業の情報化を推進し、生産者と消費者とのコミュニケーションを図り、これまで農業で培ってきた知恵と知識を活用しながら、人と地域に優しい持続可能な二十一世紀型農業を目指し、IT農業を推進をしてきております。  そこでお伺いをいたします。こうした豊橋・田原・渥美地域の活動に対し、県としてはどのような対応をされているのか。また、県当局の考えている生産の効率化、高度化による安定供給を目指したハイテク農業の推進について、何を、いつまでに、どのようにされようとしているのか、お伺いをいたします。  次に、愛知の農産物の輸出についてお伺いをいたします。  二国間自由貿易協定、FTAと言った方がなじみが深いかもしれませんが、ここではEPA、お互いの総合的な経済を考慮し協定協議が進められる経済連携協定について申し上げます。  日本の経済連携協定(EPA)でありますが、シンガポール、メキシコにおいて協定が締結され、また、フィリピン、マレーシア、タイにおいては大筋で合意され、協定条文の確定作業が進められています。この先には、韓国やインドネシア、東南アジア諸国連合(ASEAN)全体との協定締結が控えております。タイとの合意では、日本は米、タイは中小型車の輸入自由化を棚上げしてしまい、中身よりも合意が優先された残念な決着となりました。  こうした経済連携協定(EPA)網の構築は、単に日本の貿易拡大だけでなく、日本自身が構造改革を進める起爆剤にしなければなりません。なぜならば、特に輸出産業に比べて見劣りする農業の活性化は、自由化を通じた競争促進が大きなかぎを握っているからであります。  すべての農家がそうだとは申しませんが、これまでは、農家が農協に販売を委託をし、棚に農産品を並べておけば、そんなに経営意識を持たなくてもやっていけた時代であったのかもしれません。これからはEPAの進展を見据えた付加価値の高い、つまり安全・安心でおいしい、質の高い、売れる農産品をつくり込んでいくことが肝要であると考えます。  本年三月の朝日新聞の記事に、「販路拡大、舞台は世界」と題した記事がありましたので、紹介をしておきます。桃一個二千円、サクランボ一つ二百五十円、二キロのブドウが八千円、信じがたい高値で店頭に並ぶ日本産の果物が飛ぶように売れている。アジア向けの農林水産物はここ数年拡大を続け、特に中国向けは、九九年に比べ輸出金額が一七五%増と大きく伸び、島根県では平成十五年度、台湾の旧正月に合わせて鮮度が売りの高級干しガキの輸出を始めております。国内で一個百五十円のカキを台湾では二百八十円で販売、平成十六年度には予定した七千個を上回る一万個を出荷し、実績を上げているそうであります。  その実績を見ますと、豊橋・田原・渥美地域における輸出プロジェクトの研究会では、豊橋の次郎ガキの輸出も決して夢物語ではなくなってきたとのことであります。この研究会の事務局長の中野さんは、こうした取り組みの中で、安易に補助金に頼らず、歯を食いしばって知恵を絞ることが大事。農家にとって、農産物の輸出は未知の領域に足を踏み入れるチャレンジの象徴でもあるんですと説明されていました。全く同感であります。  そして、本県では中部国際空港の開港や道路交通網の整備など、輸送コストや鮮度保持などの面で有利な状況が整いつつあります。また、愛知産の野菜、果樹等には全国一の品目が多くあります。国内外問わず攻めの農業を展開し、生産者が未来に向けて希望の持てる元気な産地づくりを推し進めていかなければなりません。  そこでお伺いをいたします。我が県の農産物の輸出について、その取り組み状況と具体的な輸出事例があれば、その内容についてお聞かせください。  次に、先導的取り組み以外の施策から三点お伺いをいたします。  初めに、県内産食料などの消費と利用の促進についてでありますが、県内産食料等の消費と利用を拡大していくためには、消費者、流通加工業者などのニーズをしっかりと把握した上で、これに的確に対応していかなければなりません。高品質で特色ある農林水産物の生産をさらに高め、ブランド化を図る方策も重要な取り組みの一つであります。  基本計画では、ブランド化推進重点品目として、イチゴ、イチジク、輪菊、バラ、豚、米の六品目を施策目標としておりますが、本県には、渥美のキャベツ、東海市のフキ、豊橋のシソ、旧祖父江町のギンナンなど、まだほかにも産出額が全国一の品物も多くあるわけであります。  そこで、ブランド化推進重点品目を六品目に絞った考え方について伺っておきます。また、六品目のブランド化推進の具体的な取り組みについてもお聞きしておきます。  次に、愛知の水産物のブランド化についてもお伺いをいたします。  愛知県のトラフグの漁獲量は、平成十三年から平成十五年まで全国一位であります。しかし、年ごとに漁獲量は大幅な変動があることから、渥美町の県栽培漁業センターでは、漁獲量の増加と安定を図るため、本年度から稚魚の生産と育成に取り組み、本年六月にトラフグの放流用稚魚が県内漁業者に出荷をされました。  この放流された稚魚は、来年の秋から冬には、体長約三十センチ、重さ一キロに成長するそうであります。このトラフグ、なべにすれば四人分、美味端麗でもっちりとした歯ざわりのてっさ、裏皮はこりこりとした食感がたまらない。シラコは、これまた珍味。酒のさかなにはもってこいであります。神田知事もお酒はお好きなようでありますけれども、酒好きの方にはトラフグ様々といったところであろうかと思います。  ところが、余りのおいしさに、ついつい許可のない人が自分で料理をして、いっときのしびれで目が覚めればよいのですが、そのまま永遠に目が覚めないというケースもまれにあるわけであります。お互い気をつけたいものであります。  さて、このトラフグ、県水産試験場の調査によりますと、放流したトラフグの約二〇%が漁獲され、高い放流効果が期待できるとのことですが、漁獲量一位の愛知の名は、下関のトラフグというイメージに押され、残念ながら余り知られておりません。ここに来て、愛知県内の日間賀島のトラフグが少し全国的になりつつあるといったところでありますけれども、私はぜひ愛知県産のトラフグが文字どおり愛知のトラフグとして全国各地に出回るよう、トラフグのブランド化を強く願うところであります。  そこでお伺いをいたします。愛知県で漁獲されたトラフグが、これまでは下関流通経路により各地へ出荷をされていたと思われますが、現在の流通経路がどうなっているのか、お聞かせください。また、トラフグを初め愛知の水産物のブランド化を図るためどのような取り組みをされているのか、お伺いをいたします。  二点目は、担い手の育成についてであります。  担い手確保の基本は、農家の子弟を初め若者が職業として農業を選択できるよう、他産業と遜色のない所得を上げる魅力ある経営体を数多くつくり上げることにあると思います。  ちなみに、本年の二月に第六十四回中日農業賞の受賞者が決まりました。栄誉に輝いたのは、中部九県の七個人と三団体であります。野菜、稲作、花など、それぞれ分野は違っても、農業への熱い思いと情熱で創意工夫を積み重ね、品質向上や経営改善に取り組んできた人たちばかりであります。  愛知県碧南市でミニトマトを栽培する新美さんは、このほど農林水産大臣賞を受賞されました。新美さんは、一年一作方式から、年じゅう栽培できないだろうかと、一ヘクタール余りのハウス内を八区画に分けて、時期をずらして作付する一区画につき一年三作が可能になり、この先進的な栽培方法は、年間総計百二十トンの大幅な増収をもたらしたとのことであります。  販売も先進的で、ハウス横に直売場を設け消費者に直接販売をし、各地の消費者からの電話注文にも応じ、また、スーパーや地方市場や仲卸にも直接送っているとのこと。ちなみに、農協を通じての出荷はゼロだそうであります。ことしからは農園を株式会社にし、単に物を売るのではなく、僕らの心も一緒に買ってもらえる農業を目指しているとのことであります。  こうした新美さんの取り組みは、これからの攻めの農業のあり方の一手段として大いに参考にしていかなければなりませんし、幾つかの担い手育成の要素が学び取れるものと思っております。担い手の育成のポイントは、若者が職業として選択できる魅力が見出せること、そして新規就業者をふやし、生産技術や経営管理能力をいかに上げるかであると考えます。  県として、農業の担い手の育成策についてどのような具体的な施策を展開されようとしているのか、その内容と目標についてお聞かせください。  三点目は、環境の負荷の低減と資源の循環利用についてお伺いをいたします。  化学肥料、農薬などの過度の使用や家畜排せつ物の不適正な処理は、自然環境に大きな負荷を与えます。このため、家畜排せつ物の堆肥化など、適正に処理した上で圃場に還元して土づくりを行うことや、作物の生育に合った合理的な施肥技術や農薬の適正使用など、環境への負荷を低減し、持続性の高い農業生産を高めていくことが重要であると考えます。  県では、平成十一年七月に制定された持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づいて、堆肥などの有機質資材の利用による土づくりや減農薬栽培及び減化学肥料栽培を基本にして、持続性の高い農業生産に取り組む農業者をエコファーマーとして知事が認定をしておられます。  そこでお伺いします。家畜排せつ物を利用した品質の高い堆肥づくりについて及び環境に優しい農業に取り組むエコファーマーの育成について、それぞれどのように展開されようとしているのか、県当局の考えをお示しください。  以上、「食と緑の基本計画」について幾つか質問をしてまいりましたが、この計画は、県が実施する施策の基本的な方針や具体的な施策を総合的かつ計画的に推進するための事項を定めるとともに、すべての県民が消費者、生産者の立場を超え、同じ県土で暮らす生活者として農林水産業を見詰め直し、食と緑が支える県民の豊かな暮らしづくりを推進する指針として策定されたものであります。県は、県民、生産者などと役割分担を明確にし協働しながら、また市町村との連携を図りつつ、その施策を総合的かつ計画的に進め、基本計画の目標を達成させなければなりません。  そこで最後にお伺いをします。基本計画達成のために設置される食と緑の基本計画推進会議及び食と緑の基本計画地域推進会議はどのようなものか。また、基本計画の進行管理の責任者は知事であると思いますが、その進め方と進行管理状況の周知活動、つまり県民への取り組みの見える化について、どのように展開されようとしているのかお伺いし、壇上からの質問を終わります。(拍手) 27: ◯農林水産部理事(小出義光君) 「食と緑の基本計画」につきまして幾つかのお尋ねをいただきました。順次お答えをさせていただきます。  初めに、鉄鋼スラグを活用した干潟造成についてでございます。  干潟・浅場造成事業につきましては、中山水道航路整備事業のしゅんせつ砂を使って進めてまいりましたが、この航路整備事業の終了に伴いまして、造成に用いる砂の確保が困難な状況になりつつございます。このため、砂にかわる造成材として、製鉄の副産物でございます鉄鋼スラグに着目し、その実用化に向けて水産庁を初め関係機関と連携をして、県の水産試験場が取り組んでいるところでございます。  これまでの試験研究によりますと、鉄鋼スラグの水生生物に及ぼす影響につきましては、その安全性が確認をされております。また、アサリの発生やその生育につきましては、三河湾の砂と遜色のない結果が得られておるところでございます。  しかしながら、最近になりまして、国土交通省が海で実際に鉄鋼スラグを用いた実験を行いましたところ、鉄鋼スラグ単独では固まってしまうということがわかってまいりました。このため、今後は、鉄鋼スラグが固まらないための技術開発など、実用化の課題についてさらに研究を進めてまいりたいと考えております。  次に、ハイテク農業についての御質問のうち、まず、豊橋・田原・渥美地域の活動への対応でございます。  全国トップレベルの施設園芸地帯でございますこの地域では、農業にITを有効に活用する取り組みが進められており、県といたしましても、地元企業や農協と連携をしてITを活用した技術の開発に取り組むなど、その活動を支援しておるところでございます。  次に、ハイテク農業の推進でございますが、生産の効率化、低コスト化の推進や食の安全・安心を確保する上で、ITや高度自動化技術を導入することは大変重要なことと考えております。このため、平成二十二年を目標に、四つの取り組みを進めていくことといたしております。  まず、高品質な農産物の安定生産のため、施設園芸における自動制御技術について十件の開発を目指してまいります。次に、生産性向上を目的として、規模の大きな酪農家への搾乳ロボットなどの導入割合を四〇%にまで高めてまいります。また、消費者へ生産情報を的確に提供するため、既に牛に導入されておりますトレーサビリティーシステムを豚と鶏卵に拡大してまいります。さらに、各農家が出荷する農産物の生産履歴情報のデータベース化を進めてまいります。こうした取り組みを通じまして、本県農業のさらなる高度化と消費者に信頼される農産物の生産を推進してまいります。  次に、農産物の輸出についてのお尋ねでございます。  まず、本県農産物の輸出でございますが、平成十六年の実績で、アメリカ、ドイツなどへ抹茶が二十トン、緑茶が四十トン、また、中国へ洋ランが六千六百五十鉢となっておりまして、全体でおよそ二億円でございます。  農産物の輸出につきましては、相手国の植物検疫や通関手続、輸送や保管の経費、さらには代金回収不能のリスクなど多くの課題もあり、全国的な輸出状況を見ましても、輸出金額が多い果物で、リンゴが二十九億円、ナシが七億円、ミカンで五億円程度の実績となっておるところでございます。  しかし、本県におきましては、中部国際空港開港による物流の利便性や万博開催による国際的な知名度アップなど、輸出に取り組む有利な環境が出てきており、また、近年ではアジア諸国を中心に、日本産農産物が安全性の高い高級品として注目され始めるなど、農産物の輸出について明るい兆しも見えてきているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、県といたしましては、本年四月に国が設置しました農林水産物等輸出促進全国協議会に参加し、輸出を取り巻く現状や動向などの情報収集に努めますとともに、県が上海などに設置しております海外産業情報センターとの連携も進めているところでございます。今後は、県内の関係団体などの参加を得ながら、農産物の輸出に向けて課題や方策の検討を進めてまいります。  次に、農産物のブランド化についてでございます。  本県におきましては、農業団体、県、流通関係者、消費者団体で構成いたします「愛知県農産物ブランド化推進協議会」を中心に推進をされております。  六品目のブランド化重点品目につきましても、この協議会において議論され、決定をされたものでございまして、産地として一定の規模があり、品質向上などによって市場での評価を高める余地のあるものや、産地が各地域にまたがっているが愛知ブランドとして統一的な販売ができるものなどが選定をされております。  六品目のブランド化に向けた具体的な取り組みでございますが、今後消費の伸びが期待できるイチジクについては、より多くの人にそのおいしさを知ってもらうことが重要でありますので、東京、大阪といった大消費地の量販店などにおきまして宣伝活動を行っており、イチゴ、菊、豚については、他県との差別化を図るため、オリジナル品種の育成や普及に取り組んでおります。また、米については、市場評価の高い品種への作付誘導を図っておりますとともに、切り花については、鮮度保持対策の推進に努めております。  農産物のブランド化は、生産者の意欲を高め、本県農業の活性化につながる方策でございますので、今後とも生産者団体と連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。  次に、水産物のブランド化についてのお尋ねのうち、まず、愛知県産トラフグの流通経路についてでございます。  本県では、昭和五十九年にトラフグの稚魚の放流を始めたこともございまして、平成元年ごろから多くとれるようになりましたが、当時は産地としての歴史がなく、主にトラフグの流通拠点である下関へ出荷をされておりました。  その後、継続してとれるようになりましたことから販路も確立し、現在では漁獲量の約六割が関東、名古屋、京阪神などの中央卸売市場に出荷され、愛知県産トラフグとして取引されておるほか、地元での消費や加工に利用されております。  次に、ブランド化推進の取り組みについてでございます。  トラフグを初めとして、本県では、全国上位の生産を上げている水産物も多く、ブランド化の推進には、こうした愛知の水産物のPRと安定供給が必要であると考えております。  このため、県では従来から、「いいともあいち運動」などで、愛知の水産物の普及に努めますとともに、トラフグなどの稚魚の放流による栽培漁業を積極的に推進しております。  さらに、学識経験者、生産者、消費者による「あいちの水産物ブランド化推進会議」を立ち上げ、ブランド化の推進や愛知の水産物普及のための方策について検討しておるところでございまして、こうした取り組みを通じて愛知の水産物のブランド化を推進してまいります。  次に、農業の担い手の育成策についてでございます。  全国有数の本県農業の活力を維持し、安全で良質な農産物の安定的な供給を確保していくには、他産業並みの所得を上げ、安定した経営が展開できる農家を七千戸育成することが必要と考えており、これを「食と緑の基本計画」の目標の一つに掲げております。
     こうした担い手を育成するため、新しい技術の開発、普及による生産技術レベルの向上などに努めておりますが、今後は、さらに規模拡大による一層の低コスト化や経営能力の向上にも力を入れてまいります。  また、本年四月に、農業会議、農協中央会とも連携をいたしまして「愛知県担い手育成総合支援協議会」を設立し、専門家による経営相談の充実など、担い手育成のための支援体制の強化を図っているところでもございます。  こうした担い手を確保育成していくためには、世代交代を考えますと、毎年二百人の新規就農者が必要と考えております。このため、就農希望者に対する相談や資金の貸し付けを行いますとともに、農業大学校における農業後継者養成のための教育や、他産業から新たに農業を始めたい人を対象にしたニューファーマーズ研修の充実を図ってまいります。  次に、環境負荷の低減と資源の循環利用についてのお尋ねのうち、まず、家畜排せつ物を利用した品質の高い堆肥づくりについてでございます。  環境と調和のとれた資源循環型農業を推進するためには、堆肥などの有機質資材は欠くことのできないものでありますので、これまで畜産農家などの堆肥化施設の整備を支援するとともに、品質基準づくりや成分分析などにより品質向上に取り組んでまいりました。  今後はさらに良質な堆肥を生産できる発酵処理施設などの整備を促進するとともに、取り扱いやすく品質の安定した堆肥を生産するための技術開発にも取り組み、一層の利用拡大を目指してまいります。  次に、エコファーマーの育成についてでございます。  環境への負荷を低減し、持続性の高い農業生産を進めていく上で、その実践者を幅広く育成することは重要なことでございます。このため、堆肥を利用した土づくりや農薬、化学肥料を減少させる技術の普及指導によりエコファーマーの育成に努め、これまでに二千二百九十二名の方を認定してきたところであります。  今後とも、農家に対する研修会などを地域ごとに開催し、環境負荷低減への取り組みの必要性をさらに啓発するとともに、減農薬、減化学肥料栽培のための効果的な技術の導入を支援することなどによりまして、さらにエコファーマーを育成し、環境に優しい農業の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。  最後に、基本計画推進会議と基本計画の進行管理についてのお尋ねでございます。  「食と緑の基本計画推進会議」は食と緑に関する諸施策の総合的な推進を図るため、本庁に、また「食と緑の基本計画地域推進会議」は地域の特性や実情に応じた施策の推進を図るため、七つの農林水産事務所ごとに、それぞれ市町村、農林水産業団体、消費者団体などの代表者を構成員として、この七月に設置したものでございます。  次に、基本計画の進行管理についてでございます。  計画では百四十六項目という多くの施策目標を掲げておりますので、各施策ごとの工程表を作成し、その進行状況をチェックしながら計画全体の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。また、この計画の進行状況につきましては、毎年これを取りまとめまして、県のホームページなどを通じまして広く県民の皆様に周知してまいります。  いずれにいたしましても、基本計画に掲げる施策を着実に進め、計画が目指しております食と緑が支える豊かな暮らしの実現に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 28: ◯知事神田真秋君) 二十一世紀は食と環境の時代であると議員からお示しをいただきましたが、私どもも同様の認識でございます。  食という面につきましては、これを担う農林水産業、現在大変厳しい状況に置かれているわけでありますが、長期的かつグローバルな視点から見ますと、世界の食料需給の逼迫が予測されているところでございまして、長期的には、その重要性はさらにさらに高まるものと考えております。  また一方、環境についてでございますが、愛知万博を契機として、多くの方々の認識が深まったところでございまして、この点については大きな成果と考えております。  農林水産業でございますが、食料を供給するという側面と同時に、環境面におきましてもさまざまな多面的機能を果たしておりまして、こうしたことが県民の皆様方の暮らしに影響を与え、また、これが支えとなって発展していくものだろうと考えているところでございます。  「食と緑の基本計画」は、こうした視点に立って策定したものでございますので、私どもこれからこの計画の着実な推進が、農林水産業の発展、ひいてはこの地域の食と環境に資するものと考えているところでございます。一生懸命頑張ってやっていきたいと思います。 29: ◯三十七番(浜崎利生君) それぞれ各質問に対し丁寧な御答弁をいただきました。二点要望をさせていただきたいと思います。  まず一点目でありますが、九月二十二日に、豊橋、田原、渥美、ここの地域の視察に私ども行ったわけでありますけれども、これは質問の中でも申し上げましたが、そのときに県の広域行政への要望は何かございますかと、こう尋ねたんですけれども、そのときに、農業廃プラスチックの処理でありますが、小規模での処理対応では非効率だということで、デポジット制度の導入を含めて、ぜひ広域行政の対応を考えてほしい、こういう意見が実は出されました。  この件につきましては従前より議論をされてきているところでありますが、単に産業廃棄物としての処理対応ということではなくって、今回の基本計画では、他部局にもまたがる案件においても取り組んでいくことを前提にしているわけでありますから、農林水産業全般にかかわる案件においては、基本計画に基づいて積極的な対応を要望をしておきます。  二点目であります。資源の循環利用の取り組みについてでありますが、このほど豊根村内の間伐材を利用して木質ペレット、固形燃料や板材などを製造している村営木材加工所、とよね木サイクルセンター──リサイクルセンターを木材の木に例えて木サイクルセンターと呼んでいるようでありますが、この間伐推進中央協議会主催の本年度間伐材利用コンクールで最高賞の林野庁長官賞を受賞されました。  コンクールでは、間伐材を利用する豊根村の森林資源の循環システムの構築が高い評価を受けたものでありますが、木質ペレットはいずれ供給過剰になるという大きな懸念を持っておるわけでありますけれども、県は、資源の循環活用という観点から、このことにつきましても、ぜひ基本計画に基づく県内全体への取り組み展開を強く要望をしておきたいと思います。  今回質問をいたしました「食と緑の基本計画」の実践こそ、先ほど知事からの答弁もございましたが、我が愛知県の農林水産業としての取り組みとして、「愛・地球博」の理念を生かした取り組みにほかなりませんし、ひいては、そうした取り組みを展開することで、環境先進県愛知づくりにつながる大きな施策の一つであると確信をいたしております。食と緑が支える豊かな愛知を目指して、この基本計画の推進と目標達成に全力を挙げて取り組まれますことを切に願って、私の質問を終わります。 30: ◯議長川上万一郎君) 進行いたします。  秋田政幸議員。     〔六十三番秋田政幸君登壇〕(拍手) 31: ◯六十三番(秋田政幸君) 議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして、県税の徴収確保対策について及び桃花台線について順次お伺いをいたします。  まず初めに、県税の徴収確保対策についてお尋ねいたします。  県税収入に大きな影響を及ぼす現在の景気回復は、平成十四年二月から本年九月まで、四十四カ月目に入り、バブル崩壊後の景気拡大期の平成五年から平成九年にかけての四十三カ月を抜き、戦後三番目の長さとなってまいりました。また、去る九月五日、財務省は、平成十六年度の法人企業統計において、全産業の経常利益が前年度比二三・五%増の四十四兆七千億円となり、これはバブル経済期の平成元年度の三十八兆九千億円を大きく上回り、過去最高の水準に達したと発表しております。  こうした状況を反映して、本県の平成十七年度の県税当初予算額は、平成十五年度以降三年連続で前年度を上回る一兆五百二十五億円を計上され、このうち本県の税収構造上非常に大きなウエートを占める法人事業税額は三千六百七十一億円で、県税全体の約三五%となっております。本年度の県税収入を過去最高時のバブル経済期の平成二年度一兆一千六百六十八億円と比較をいたしますと、景気回復を反映して総額では九割まで回復しているのに対して、法人事業税では約六割の回復にとどまっております。  これは、法人事業税の税率が平成十年度以降、数次にわたって引き下げが行われ、過去の八割まで低下したことや、平成十六年度から外形標準課税の導入もあり、制度的に企業収益の増加が県税収入に反映されにくい構造となっていることをあらわしております。こうしたことから、本県の今後の県税収入は、現行税制度が続く限り大幅な増収を期待することはなかなか困難な状況ではないかと思われます。  一方、本県の財政状況は引き続き厳しさが続き、本年度の当初予算編成では五百六十一億円の臨時の財源対策を行ったほか、今後においては、財政中期試算で示されているように、県税収入が平成十八年度に一・三%、平成十九年度に二・〇%と増額になったとしても、平成十八年度には五百七十億円、十九年度には七百七十億円の多額な財源不足が予想され、改革による財政効果を加味しても財源不足の解消には至らない大変厳しい状況が続く見通しとなっております。  こうした厳しい財政の状況下ではありますが、県内各地域からは、愛知万博、中部国際空港といった二大プロジェクト終了後において新たな地域づくりの行政需要の要望が多く出されており、こうした需要に対する財源をいかに確保していくかが今後の大きな課題となってくるものと考えられます。  幸いにして、県では、自主財源の確保を目指して本年二月に策定された「あいち行革大綱二〇〇五」で県税徴収率を平成十九年度までに九七・五%以上に確保すること、また、県税収入未済額を平成十九年度までに平成十五年度の三百二億円を一〇%以上縮減する目標を掲げ、各種の取り組みを行うこととしており、私といたしましては、こうした県税の徴収率向上に向けた取り組みに大いに期待する一人であります。  平成十六年度県税決算の状況を税務当局にお聞きをいたしますと、県税徴収率は九七%で前年度と同率、また、収入未済額は約三百二億円で、前年度と比べ約七千万減ったとのことでありました。また、収入未済額の内訳は、市町村が個人市町村民税と同時に徴収している個人県民税が約百二十億円で全体の四割、自動車税が約五十四億円で全体の二割、軽油引取税が約五十七億円で全体の二割、この三税目合わせて約二百三十一億円、全体の八割を占めているとのことであります。  さらに、大都市圏を抱える主要都道府県の中で、本県は今まで第一位の県税徴収率を維持しておりましたが、平成十六年度には東京都に抜かれ、第二位になったとのことであります。  大きな成果を上げた東京都は、平成十二年度から矢継ぎ早に効果的なさまざまな対策を実施しております。個人県民税対策として、平成十四年度から地方税法第四十八条の規定に基づく県の直接徴収の実施、平成十六年度から都税職員の市町村への長期派遣、自動車税対策として平成十二年度から平成十五年度まで二十九都税全事務所に自動車税滞納整理要員を百名配置、平成十六年度からコンビニ収納の実施及びインターネット公売の実施、さらには、全都税事務所での自動車の一斉差し押さえの実施、また、広報活動の充実など各種対策をとってまいりました。こうしたさまざまな対策をとった結果、平成十二年度の都税徴収率は九六・二%から、五年後の平成十六年度には九七・三%と、大きな成果を上げたと伺っております。  本県では、さきの六月議会で、個人県民税対策として地方税法第四十八条の規定に基づく県の直接徴収を二市町から九市町に大幅に拡大する旨を発表され、御努力をいただいていることは十分承知をいたしております。今後の厳しい財政環境の中で新たな地域づくりに必要な財源を確保するためにも、県税の徴収率の向上や収入未済額を収入化するなどの自主財源の確保は、行革の大きな柱であるとともに、大変重要なことであると考えます。  各県税事務所は、日夜県税の徴収に大変な御努力をいただいているところでありますが、今後行革で定められた二大目標の達成に向けて、必要であれば職員の配置や経費も投入して大きな成果を上げるべく、県税職員が一丸となってなお一層の御努力をいただきたいと思うのであります。  そこでお伺いいたします。  まず一点目、県税の徴収について、現在の基本的な考え方についてお伺いいたします。  次に二点目は、県は行革で平成十九年度までの目標を定めておられますが、この目標達成に向けて、今後どのような新たな効果的な対策を講じようと考えているのか、お伺いいたします。  次に、新交通システム桃花台線についてお伺いいたします。  赤字を抱えた第三セクターというと、必ず引き合いに出されますのが桃花台線であります。平成三年三月の開業以来、その利用者数は当初の見込みを大きく下回って推移しております。平成十三年度には、一日の利用者が約二千二百人というところまで落ち込んでおります。  その後、平成十五年三月に名鉄小牧線と地下鉄をつなぐ上飯田連絡線の開業と、それにあわせて行われた最遠区間で百円の運賃値下げの相乗効果により、十五年度の利用者は前年度に比べて四割以上増加し、十六年度も前年度一〇%増、十七年度に入ってからも穏やかな増加傾向を見せ、一日平均三千五百人程度となってきておりますが、当初の計画値である一日一万二千五百人の見込みに比べて、まだ三分の一にも満たない利用者数であり、収支均衡にはほど遠い需要となっております。  そうした利用の低迷から、運営会社であります桃花台新交通株式会社の経営も、開業当初より大きな赤字が続き、県と小牧市との経営支援により何とか運行を継続することができている状況であります。平成十六年度の経営収支を見ますと、収入が約二億五千万円に対し、経費が約四億七千万円とほぼ二倍となっており、収入で人件費の約二億四千万円を賄うだけで精いっぱいということになっております。また、平成十七年三月までの累積損失額は約六十四億円と巨額になっており、県と小牧市に対して合計で四十億五千万もの借金を抱えております。このままでいくと、平成十八年秋以降にも現行システムを運行するための運営資金が枯渇する状況になると予想されているところであります。  こうした厳しい状況にあります桃花台線の今後を考えますと、まず需要については、今後経営を好転させるほどの大幅な増加はとても見込めないのではないかと思われます。桃花台ニュータウンの人口も現在の約二万八千人程度でほぼ頭打ちであろうと思いますし、沿線周辺地域においても利用者増につながるような具体的な開発の動きも期待しにくい状況であります。  また、桃花台ニュータウンの周辺地域は自動車中心の交通体系となっており、小牧市内を初めJR中央線の春日井駅や高蔵寺駅でのパーク・アンド・ライド、あるいは直接名古屋市内まで車を乗り入れるなど、乗用車の利用が多いことに加え、ニュータウンからJR中央線の高蔵寺駅や春日井駅へ路線バスで運行されており、また、ニュータウン内を通過している中央自動車道を利用して名古屋都心に直行する高速バスや、ニュータウンから小牧市内を経由して栄、名古屋駅に至るバス路線も運行されているなど、利用者の獲得競争はますます激しくなってくると思われます。  会社においても、割引切符などの企画切符の発行や自転車の無料貸し出しによるサイクル・アンド・ライドといったさまざまな利用促進策を実施しているところでありますが、大幅な利用者増につながるものではありません。  次に、経費削減についても、これまで相当な努力が払われてきており、特に平成十二年度からの五カ年の経営改善計画では、人件費を中心に大幅なコスト削減を行ったと伺っております。経費削減はほぼ限界に達しており、今後収支均衡につながるような経費削減はなかなか難しいのではないかと考えております。桃花台線の先行きは非常に難しいものと言わざるを得ません。  そうしたことから、県では昨年度、学識者や地元関係者などによる「桃花台線のあり方検討会」を設置し、桃花台線の存廃を含めた抜本的な検討を行ったところであり、本年三月末にはその検討会から提言がまとめられ、県を初め、小牧市、会社に対し提示されております。  その提言において、まず一、桃花台線は今後収支を均衡させるような大幅な利用者増は期待することはできず、また、二、桃花台線で使われている現在のシステムは需要に比べ過大なコストがかかるものであり、そうしたシステムを前提とした経費削減の経営努力もほぼ限界に来ていること。三つ、近い将来、大規模な設備更新が迫っていること。さらに四番目として、特定地域の交通機関に対し多額の公的支援を継続することは困難であることなどから、現行システムによる桃花台線の運行継続は困難であるとしております。  一方で、提言は、現在の桃花台線は一日三千五百人という地域の公共交通機関としては多くの利用者であることや、専用軌道を利用した交通サービスとして、定時性、速達性の確保、渋滞緩和、環境・安全面など地域交通への重要な役割、さらに地域づくりやまちづくりの基盤としての役割などを評価しております。そして、もし現在の需要程度で収支が成り立つような新システムの導入が可能であるならば、桃花台線の再生、存続の可能性を模索すべきではないかと提言しております。  この提言を受けて、今年度、県と地元小牧市、そして桃花台新交通株式会社による新システムの導入による桃花台線の再生、存続が可能であるかどうか、鋭意検討が進められると聞いておりますが、会社の運営資金が十八年秋ごろにも枯渇するとのことでありますので、存続されるのか廃止せざるを得ないのか、いずれにしてもそれぞれ早急な対応に迫られているわけであり、そうした準備作業をスムーズに進めるために、少しでも早い判断が求められているのではないかと考えます。  一方で、存続か廃止かの判断については、新たな資金負担の問題、収支採算性の確保、住民への説明と理解、代替バスへの転換、残されたインフラ構造物の扱い、会社の負債の整理など、いずれの場合にいたしましても非常に大きな痛みと困難な課題を伴う重大な決断となるものと思われます。  そこでお伺いいたします。  こうした大変難しい判断に迫られている桃花台線でありますが、存続か廃止かの判断に当たって、私は、特に押さえておかなければならないポイントというか、重要な視点というものがあるのではないかと考えております。  一つ目に、新システムの導入により再生、存続を目指すということでありますが、そうした新システムなるものがまだ実用化されていない開発途中のシステムという点であり、本当に技術的に実用化が可能であるのかということであります。  提言の中では、幾つかのシステムについて比較検討した上で、磁気誘導式バス方式が最も有望な候補とされておりますが、これは愛知万博で実用化されているIMTSに使われている磁気誘導の技術、簡単に言いますと、地面に埋め込まれた磁気マーカーをたどっていくことで自動運転を行う技術でありますが、この技術を活用しつつ、桃花台線の専用軌道の上を無人で走行する新システムを開発し、導入できないかということであります。  新しい技術というものは、なかなか信頼性という面で問題を抱えているものでありまして、愛知万博のIMTSでも、万博開催中に故障などにより停止したといったニュースが何度も報じられました。桃花台線に導入される新システムも、通勤・通学時の忙しい時間帯で、「本日は故障で停止しておりますので、他の交通機関を御利用ください」では話になりません。また、安全性の面からも大丈夫なのか、導入が数年後になるといたしましても、技術的に確立する見通しがあるのかどうか、しっかりと見きわめていく必要があります。こうした点についてしっかりと見きわめ、本当に採用してよいものかどうか判断する必要があると考えております。  二つ目は、本当に収支採算性が成り立つのかということであります。  現在の桃花台線の需要が当初の見込みと大きく乖離し、経営破綻を来したわけでありますので、新システムの導入により桃花台線を再生、存続させる場合、同じ轍を踏むようなことは決して許されません。需要想定は厳しく検証しているのか、必要な経費はしっかり把握しているのか、収支採算性が確保できるようなスキームをしっかりと検討していただきたいと思います。つじつま合わせの収支計画にならないよう、最大限の注意を払っていただく必要があると考えております。  そのほかにも判断に当たっては重要なポイントというものが幾つかあろうかと存じます。現在、県と小牧市、会社が連携して行っている検討では具体的にどのような観点から判断作業を進めているのか、現時点までの検討状況について、まずお伺いいたします。  次に、桃花台線は、昭和四十年代における名古屋都市圏の人口急増の受け皿の一つとして県が建設した桃花台ニュータウンの交通手段として整備されたものであります。当初の計画では、名古屋都心への通勤、通学を中心に、一日二万人程度の輸送需要が見込まれ、バスによる輸送では限界があると考えられていたため、当時新しい都市交通機関として注目されていた新交通システムを導入することとし、県が小牧市、名鉄などと一緒に第三セクター方式により立ち上げたものであります。これまでは県が中心となって取り組んできた事業であります。  しかしながら、実際の利用者は計画を大幅に下回り、結果的には路線バスの対応でも十分であったという程度の需要しかないなど、桃花台線を取り巻く状況が大変厳しいことなどを考慮しますと、新システムによる存続についてはよくよく検討していく必要があると存じます。もし新システム導入によって桃花台線の再生、存続を図っていく場合には、地元小牧市が非常に大きな役割を果たす必要があるのではないかと考えております。  以上で壇上からの質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 32: ◯総務部長(西村眞君) 県税の徴収確保対策についてのお尋ねのうち、まず、県税の徴収についての現在の基本的な考え方についてであります。  県税の徴収に当たり、納税者の皆様方が納期限内に納税していただく自主納税体制を確立するためには、何よりも納税思想の普及啓発が重要であると考えております。このため、国や市町村等の関係機関とも連携を強化し、各種広報媒体を活用した納税者の方々への納税思想の周知徹底や、小中学生を対象とした租税教育の推進に取り組んでいるところであります。今後とも実施内容を充実、強化するなど、一層の普及啓発に努めてまいります。  また、県税徴収事務につきましては、すべての税務職員が常に納税者の皆様方の立場に立って適正かつ公平な税負担の実現を基本として執行しているところでございます。  次に、行革の目標達成に向けての今後の新たな効果的な対策についてであります。  まず、県税徴収率の向上策についてでありますが、納税機会の拡大や納税方法の多様化など、納税者の皆様方に対する利便性を一層向上させる、納税しやすい環境づくりが大変重要であります。  そこで、八月から法人関係税につきまして、電子申告制度の開始や、納税者が最も多い自動車税につきましては、コンビニエンスストアでの収納を平成十八年度から定期課税において実施し、一部未払い者に対してこの十月下旬から実施をすることといたしておりますほか、十二月から、当面は型式指定の新車新規登録に限りますが、自動車保有関係手続のワンストップサービスも実施することといたしております。このほか、期限内に納税が確実にできます口座振替制度への一層の加入促進に努めてまいります。  次に、滞納整理の強化策についてでありますが、滞納となった時点で速やかに徴収計画を立て、積極的な納税折衝を実施してまいります。特に、十一月、十二月に予定をしております滞納整理強化月間の取り組みとして、県税事務所が一丸となって納税誠意の見られない滞納者に対し、給与、売掛金、銀行預金などの債権の強力な差し押さえを実施するほか、本県では初めて県内全域を対象とした自動車の差し押さえを積極的に行うこととしております。さらに、差し押さえた物件につきまして、平成十八年度から新たにインターネット公売にも参加できるよう検討してまいります。  いずれにいたしましても、行革の目標の達成に向けて、納税しやすい環境づくりや滞納整理の強化を全力で取り組んでまいる所存であります。 33: ◯企画振興部長(渡邉俊司君) 桃花台線についての御質問でございます。  現在、小牧市や桃花台新交通株式会社と共同で、新システムの導入により存続が可能かどうかの検討を進めておりますが、その判断のポイントといたしましては、まず第一に、御指摘のとおり、新システムの技術開発のめどでございます。磁気誘導方式のシステムを研究しております開発メーカー各社との緊密な連携、協力のもとに検討を行っておりますが、現在のところ、見きわめができる状況には至っておりません。  次に、新システム導入の必須条件となる収支採算性の確保についてでございます。収支の前提となります需要想定につきましては、現在の利用者数一日三千五百人をベースに、少子・高齢化に伴う桃花台ニュータウンの年齢構成の変化や競合バス路線の影響などを踏まえて厳しく見込むとともに、必要となる経費についても的確に把握するなど、収支が成り立つかどうか検討しているところでございます。そのほか、新システムの導入のための資金をどういった形で調達するかも判断の重要なポイントと考えておりますが、現在、関係者で検討を進めているところでございます。  いずれにいたしましても、会社の運営資金の状況を考慮いたしますと、できるだけ早い時期の見きわめが必要でございますので、今後、早急に判断材料を整理し、存続か廃止かについて総合的に判断してまいりたいと考えております。  次に、地元小牧市の役割についてのお尋ねでございます。  新システムの導入により桃花台線の再生を図っていく場合には、地域の公共交通として新たな事業を立ち上げるといった性格を有するものであります。  桃花台線は交通インフラとして地元のまちづくりに資するものであり、また、路線が小牧市内に限定されていることなどを考え合わせますと、その再生には、地元小牧市の果たす役割が大変重要であると考えております。  県といたしましては、技術開発の状況や収支が成り立つことに加え、地元小牧市の主体的かつ積極的なかかわりも存廃の判断の大きなポイントと考えておりますので、より一層連携を密にしながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 34: ◯知事神田真秋君) 税の徴収確保について、私からもお答えを申し上げます。  県税収入は、財政運営の最もかなめになるものでございまして、収入を少しでも多く確保するために、徴収率の向上、あるいは収入未済額の解消、これは大変重要なことであると認識をいたしております。  特に、県税全体の収入未済額の約四割を占めておりますのが個人県民税でございまして、その対策として、従来から県と市町村の職員の相互交流制度を実施してまいったわけでございますが、平成十六年度からは、先ほど御指摘もありましたように、地方税法第四十八条、この規定に基づき、県で直接徴収を行うなど、各種の支援策を充実強化してまいったところでございます。  本年度はこの県の直接徴収につきまして、昨年度の二市町から九市町に拡大をして実施をしているところでございます。  県が直接徴収するというこの形態は、心理的な効果もあるものと思われ、滞納者に対し、県へ引き継ぐと予告をいたしました額のうち、昨年度は約九四%の実績を上げ、本年度も九月末現在で既に約五八%の実績となっているところでございます。  さらに、現在国では、いわゆる三位一体改革で所得税から個人住民税へと税源移譲の議論が展開されているところでございますが、こういう形で税源移譲がされるということになりますと、移譲されました額をきちんと徴収し、確保していくことが今まで以上に大変重要になってくるわけでございます。  県といたしましては、今後とも個人県民税対策として市町村の徴収体制の充実、強化など、できる限りの御支援を行ってまいりますほか、自動車税などにつきましても、引き続き納税環境の整備あるいは滞納整理の一層の強化に取り組んでいく所存でございます。  いずれにいたしましても、県税の徴収率の向上、収入未済額の解消というのは、税の公平な扱い、税負担の公平性の観点、この点からも大変重要でございますので、今後とも県税の確保に向けまして、職員一丸となり努力をしてまいる所存でございます。 35: ◯六十三番(秋田政幸君) 知事、部長からそれぞれ御答弁をいただきました。  県税の徴収確保対策は大変重要な問題でありますので、一点要望しておきたいと思います。  答弁では、コンビニ収納の実施、また、誠意のない滞納者に対して自動車の差し押さえを県内全域で初めて行うこと、さらには、既に行っている個人県民税対策は成果を上げ、今後市町村への支援もしっかり行っていくことなど、さまざまな対策が計画されていることをお聞きいたしました。大変心強く、今後の成果を大いに期待するものであります。  しかしながら、県税の滞納額の中には、徴収することがなかなか難しいものが多く残っているわけでありまして、その難しい滞納額を収入にするには、大変な御苦労が要ると思います。こうした取り組みでよりよい成果を上げるためには、やはり効果的な対策を短期間で一気に進めることが何より大切なことだと考え、質問の中でも、大変成果を上げている東京都の矢継ぎ早の対策や職員の増員などにつきましても紹介をした次第であります。今後、こうした東京都の取り組みも十分参考にされ、取り組んでいただければと考えております。  現在の厳しい財政状況を考えますと、財源の確保は喫緊の大きな課題であります。計画された対策を短期間にしっかりと実施をしていただき、県税収入を少しでも多く徴収することに一層の御努力をいただきますよう強く要望いたしまして、質問を終わります。     ━━━━━━━━━━━━━━━━━
    36: ◯三十九番(藤川政人君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 37: ◯議長川上万一郎君) 藤川政人議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 38: ◯議長川上万一郎君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十九分休憩     ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 39: ◯副議長佐宗靖広君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  伊藤勝人議員。     〔二十五番伊藤勝人君登壇〕(拍手) 40: ◯二十五番(伊藤勝人君) 順次お尋ねをいたします。  一九九〇年代の後半からグローバルスタンダードという言葉がもてはやされました。しかしながら、その中身を見てみますと、アメリカだけで行われている制度をグローバルスタンダードと呼んでいたように思います。例えば、競争第一主義、福祉削減というのは、アメリカでは取り入れられていますが、他の国では必ずしも取り入れられているものではありません。世界経済フォーラムの国際競争力ランキングの上位に来ているフィンランドやスウェーデンのように、福祉に力を入れながら競争力を高めている国もあります。  アメリカで取り入れられている制度がそのままグローバルスタンダードというわけではないのです。グローバルスタンダードには、信じるべきグローバルスタンダードと信じるべきでないグローバルスタンダードとがあります。信じるべきグローバルスタンダードとは教育です。子供の教育には、世界じゅうの国が力を入れています。学力向上こそが真のグローバルスタンダードと呼べるものだと思っています。ところが、日本では、ゆとり教育の導入によってグローバルスタンダードから大きく離れてしまいました。競争第一主義や成果主義などは導入したのに、信じるべきグローバルスタンダードである学力向上はおろそかにしてきました。  ここ近年、立て続けに日本の子供たちの深刻な学力低下の現状が報告されました。まず、二〇〇三年度におけるOECDの十五歳生徒の学習到達度調査では、二〇〇〇年調査で一位であった数学的リテラシーが六位に転落、科学的リテラシーは二位のままでしたが、読解力では八位から十四位まで順位を落とし、下げ幅は参加国中最大でありました。  また、国際数学・理科教育動向調査の二〇〇三年度版では、前回四位であった中学二年の理科が六位、数学は五位のままですが、前回調査に引き続き、数学、理科もシンガポール、韓国、台湾、香港に負けています。OECDの数学リテラシーの調査では韓国と香港に抜かれてしまいました。シンガポールと台湾は参加していません。両調査とも中国は参加していませんが、京都大学西村和雄教授と慶應義塾大学戸瀬信之教授の調査データでは、一九九九年当時の大学生の数学力調査では中国に大きく負けていました。恐らく数学、理科ともに、北朝鮮を除けば、東アジアの最低レベルに転落しています。  英語力に関しても、ここ数年TOEFLの平均点は、北朝鮮と並んで東アジア最低レベルであることが明らかになってきています。日本の子供が当面の、また今後のライバルとなる東アジアのすべての国に負けているだけでなく、この問題は現在進行形の問題でもあります。PISAでも二〇〇〇年から二〇〇三年の間に顕著な順位の低下がありましたが、TIMSS調査では、中学二年生の数学力は、一九八一年以降、九五年、九九年、二〇〇三年と、調査のたびに順位を落としています。  さらに申し上げるならば、TIMSSの、例えば中学二年生の数学の調査では、台湾が横ばいであることを除けば、シンガポール、韓国、香港は平均点を上げています。それなのに、日本は九点も点数を下げ、統計的な誤差とは言えない落ちざまであります。  明らかにされている学力の低下は、二〇〇二年のゆとり教育施行以前にも二度にわたって学習指導要領の内容削減が行われてはいますが、これらの調査に影響を与えているのは、一九八九年改訂、九二年施行の第二回目のカリキュラム削減であると考える教育関係者は多いのです。つまり、二〇〇二年のゆとり教育を撤回するだけではまだ足らず、少なくとも九二年以前に戻さなければ、学力の低下に歯どめがかからないと思っています。  逆に言えば、二〇〇二年のゆとり教育を受けた子供たちがこれらの調査を受けるころには、さらなる学力の低下が予想され、アジアではびりどころではなくなるでしょう。そして、現在問題になっているニートなどは、まだまだ学力が大丈夫と思われていた九五年調査の中学二年生に相当する世代であります。そのとき既に、中学二年生の二八%は学校の外で、塾を含めて勉強を全くしないことが明らかになっていました。この三〇%近い努力した経験のない子供が社会に出てニートやフリーター、簡単に離職するなどの問題を起こしていることも考えられます。九九年調査ではそれが四一%になっています。彼らが社会に出るのは約三年先の話であり、今回の調査対象者が社会に出るのは七ないし十年後の話です。  さらにゆとり教育が続けば、日本の若年労働力の質の低下はさらに続けられていくことになります。日本も、クリントン前米国大統領が提唱したように、小学校や中学校の卒業試験を導入するような大胆な教育改革を行わない限り、国は沈み続けることになりかねません。このままゆとり教育が続けば、学力低下がますます進むのではないかと危惧をしております。そこで、ゆとり教育と学力の低下についての御所見をお伺いいたします。  最近の教育論では、金銭的なインセンティブを高めてもっと差をつければ学力が高まるという考え方が出てきています。給料にもっと差をつけて、勉強した人ほど得をする社会にすれば子供がもっと勉強するようになるという考え方です。しかし、その考え方は誤りだと思うがゆえに、なぜならば、社会に出てから所得においてほとんど差がつかなかった時代の方が子供たちがよく勉強していたからであります。有名大学を出ても、その他の大学を出ても、一たん社会に出てしまえば大した差はつかないのに、それでも子供たちは有名大学を目指して一生懸命に勉強をしていました。もちろん、大学名によって入社できる会社に差があったことは事実ですが、一たん入社してしまえば給料にほとんど差はなかった。どの大学を出ても待遇に大した差は出ていないのに、子供たちは一生懸命勉強をしていたのであります。  最近は、成果によって給料に大きな差をつける会社がふえてきました。勉強しなければ、あるいは努力して成果を上げなければお金が稼げない可能性は高まっています。しかし、子供たちは昔より勉強しなくなってきています。一九八〇年代までは、社会に出てお金持ちになったとしてもそれほどメリットはなかった。それは、所得税の最高税率が七五%で、地方税の最高税率が一八%でした。どんなに収入がふえても税金を取られるばかりであったのであります。つまり、以前の日本は、勉強しても金銭的に得をするような国ではありませんでした。にもかかわらず、子供たちがあれほど競争し学歴を求めたということをきちんと考えていかなければいけないと思います。  結論は、日本の子供たちはお金を目的にして勉強していたわけではなく、子供の時期に勉強ができる人は偉い人というような価値観を上手にすり込まれていました。よって、みんなが勉強をしたのではないか。要するに、社会的尊敬の方がお金よりも価値があるという共通認識が社会にありました。それを親たちが教えてきたから、お金が得られなくても子供たちは一生懸命勉強したわけであります。  したがって、お金を目の前にぶら下げれば子供たちがもっと勉強するようになるという考え方は間違っていると思います。私たち大人が子供に教えなければいけないのは価値観です。国のことを思い、社会に役立つ人間になって周りの人たちから尊敬されることが一番価値のあることであり、そのためには一生懸命に勉強しなければいけないということを教えるべきだと思います。それが学力向上の出発点ではないのかとも、また思います。  そこで、物やお金よりも社会的尊敬を得ることに価値があることを教えることが大切であると思いますが、どのようにお考えになっておられるのか、教育長にお伺いをいたします。  歴史上、植民地というのは他国の言葉を押しつけられてきました。イギリスの植民地は英語を押しつけ、フランスの植民地はフランス語を押しつけられてきました。母国語を維持できるかどうかというのは、その国の国力と大きな関係があります。敗戦後、日本は、アメリカに対して無条件降伏をしたにもかかわらず、英語を押しつけられずに済みました。公用語が日本語と英語の二本立てになることもなく、日本語一本でやることを保ってきました。それなのに、今になってこれほど英語にすり寄るというのは不思議な気がします。もっと母国語に誇りを持つべきだと思います。  日本では、日本語で大学教育、大学院教育が行われています。日本人にとっては当たり前のことに思いますが、世界的に見ると、母国語で高等教育を行っている国はそれほど多くありません。中国の大学教科書は中国語と英語が半々です。韓国でもつい最近まで大学の教科書は英語で書かれていました。日本のように母国語で高等教育ができる国というのは、本来誇れることであります。にもかかわらず、英語ができないとだめだと信じ込んでいるのは、母国語の誇りを捨てているようなものであります。  今、小学校では、算数や数学の問題の意味がわからないという子供がかなりいるといいます。問題文の意味すら理解できないほどの国語力しかない子供がいます。このまま国語力の低下を放置し続ければ、本を読む人間は激減することになります。新聞すら読めない国民がふえてしまう。これは社会の活力を低下させます。  小さいころからの英語教育が重視され始めていますが、英語教育よりも、まず日本語教育をしっかりやり直すべきだと私は思います。人間は、ある一定レベル以上の高度な思考は自国語でなければできないそうであります。物すごく小さなころからバイリンガルで育った人間以外は、どんなに外国語が上手でも、高度な思考は自国語で行っていると言われています。したがって、英語教育を拡大する前に日本語教育を徹底しないと、高度な思考ができる子供はおろか、そういう日本人が減ってしまいます。  そもそも日常会話がすらすらできる、そういうレベルの英語力ならば、それほどの価値はありません。言うまでもありませんが、アメリカに留学すれば、向こうには英語のできる人ばかりですから、英語がどれほどできても評価などされません。政治、経済、学問について対等に議論できる人やきちんとした論文を書ける人の方が評価されます。英会話力を鍛える前に、まず思考力を鍛えるべきであります。それには、思考のベースとなる日本語をしっかりと勉強させることが必要であります。  このように、日本語教育、すなわち国語を大切にする教育が重要と考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、医師の不足対策についてお尋ねをいたします。  最近、病院における医師の不足が深刻化しているという話をしばしば耳にいたします。医師不足によって困っている状況は病院ごとに異なっており、一様ではありませんが、大きく分けて二つの状況があると考えます。  一つは、医師が都市部の大規模病院や大学病院に集中して、地方の医療機関などが医師を集めようとしても人材が見つからないという状況です。こうした医師の地域偏在は、地域の住民に安全で適切な医療を提供していく上で大きな支障を生ずるものであり、県民の安心な暮らしを脅かす喫緊の問題であります。  もう一つは、特定の診療科で不足しているという状況であります。例えば、小児科医に関する新聞記事ですが、小児科医は休日や夜間の呼び出しが多く、仕事の負担が心身ともに極めて多いために、若手の小児科医の約半数が一度は小児科医をやめたいと思った経験を持つと、厚生労働省の調査結果が紹介されておりました。また、産婦人科医については、深夜の出産といった夜間の勤務や非常に高額の医療訴訟が起こされるリスクが高いこと等から、なり手が不足しているといった話があります。麻酔科医については全国的にかなり足りない状況であると聞いております。  このような医師不足の状況に拍車をかけているのが、昨年度から義務づけられました医師の臨床研修制度であります。この制度は、国家資格を取得いたしました医師が、一年目に内科や外科並びに麻酔科を含む救急部門といった基本的な科目の研修を受けた上で、二年目に小児科や産婦人科、精神科、そして地域保健、地域医療という必須科目の研修を受ける制度であります。研修医が二年間のうちにより多くの診療科を回って臨床経験を積むことにより、幅広い診療能力と地域医療を担う姿勢を身につけることが期待されるものであります。  しかしながら、この制度は、研修医のための十分な施設と指導スタッフを持っていることが認められる病院であれば、大学病院に限らず研修ができることとなったことから、厚生労働省から指定を受けた魅力のある都市部の大病院を選ぶ研修医がふえ、大学病院の研修医不足という状況が生じてきたのであります。厚生労働省の資料によりますと、新しい研修制度が始まる前の平成十五年度には、医師免許を取得した約八千人のうち七三%の研修医が大学病院で特定の科目について研修を受けておりましたが、制度が始まった昨年度には、大学病院で研修を受ける研修医は約五六%に減少いたしました。そしてさらに、今年度は約四九%まで落ち込む状況になっているとのことであります。  研修医というのは、大学病院にとっては第一線の働き手であり、働き手が減って困った大学病院が地方の医療機関へ派遣していた中堅の医師を次々に引き揚げていったことが、現在の医師不足をさらに深刻な状況に追いやったというものであります。加えて病院の医師不足を招いたさらなる要因として、勤務医が開業医へと移行するケースが多くなっていることも指摘されています。  特に子供の疾患などでは、大病院志向や専門医志向が強く、病院勤務医に患者が集中する傾向があります。そこにインフォームド・コンセントの普及によって、治療方針やその危機性や治癒の可能性などについて十分に説明し同意を得ることが求められております。医師が患者一人一人を診療する時間が長くなるなど、医師の負担が増加している実態もあります。  医療機能の分化と連携がこれからの医療の流れと言われる中で、依然として大病院に患者が集中し、勤務医の業務量が増加する一方で、医療過誤に対する患者の意識はより先鋭になり、期待する結果が出なかった場合には係争に陥るといったことが珍しくなくなっている状況にあります。国は、従来の医師の需給は将来的には過剰になるとの見通しを示し、大学医学部の入学定員をピーク時であった昭和五十九年度から削減した後、ほぼ横ばいの状況となっております。  私は、この国の見通しに甘さがあったのではないかと考えます。医師不足については、長期的には、医療制度全体として、例えば、医師の養成数や医師の不足している診療科の診療報酬の見通しなど、国政レベルで総合的に検討すべきものであると考えます。実際、国においては、現在の深刻な状況を受けとめて、ことしの二月、「医師の需給に関する検討会」を設置し、医師確保対策についてさまざまな観点から検討を行っており、八月には、地域医療に関する関係省庁である厚生労働省、総務省、文部科学省、防衛庁の四省庁が医師確保総合対策を公表し、今後、平成十八年度の医療制度改革に向け、施策の具体化を図っていくと聞いております。  そこでお伺いをいたします。  まず、このように全国的に医師が不足している状況であり、本県においても地方の病院を初めとして深刻な医師不足であるといった声を聞いておりますが、県内全体の状況はどのようになっているか、お伺いをいたします。  また、そのような状況下において、国の動きを見据えた上で、県としては医師の確保についてどのような検討をしておられるのか、あわせてお尋ねをいたしまして、質問を終わります。(拍手) 41: ◯教育長伊藤敏雄君) 教育に関しまして三点からの御質問をいただきました。お答えを申し上げます。  最初に、ゆとり教育と学力低下問題についての御質問でございます。  ゆとり教育のねらいといたしておりますのは、子供たちが時間と心のゆとりの中で、知識、技能はもちろんのこと、思考力や判断力、表現力を身につけ、主体的に考え行動できるようにすることであると認識をいたしておりまして、教育の一つの側面としては、私は必要なことと思っております。  一方、学力についてでありますが、議員お示しの国際的な学力調査結果で明らかになりました読解力低下等の問題につきましては、学校教育の基軸にもかかわる大きな課題と認識をいたしております。現在、国語や算数、数学などの基礎学力やすべての教科を学ぶ基盤となります読解力の向上を図るための指導方法の工夫、改善に努めているところでございます。  ゆとり教育と学力の低下問題は、私どもに課せられた大変難しい課題でもありますが、学習指導要領の見直しなど、現在、国においてもさまざまな議論がされております。教育委員会といたしましては、その審議を十分注視しつつも、まずは教員の指導力向上を初め、少人数授業あるいは習熟度別授業などの充実に努めながら、子供たちに確かな学力を身につけさせる教育を推進してまいりたいと、かように考えております。  次に、社会的尊敬を得ることの価値についての御質問をいただきました。  人間は、子供のころから身近な信頼できる人に教えられたり認められたりする経験を積み重ねることで、人として社会の中で生きていくための価値を学ぶものと思っております。学校生活におきましても、子供たちは学習活動の中で出会うさまざまな人生の先達に尊敬の念を寄せたり、自分も将来こうありたいという気持ちを抱いたりすることで、人の役に立ち、人から尊敬されることが物や金銭以上にとうといものであることに気づいていくものと考えております。  こうしたことから、道徳教育を初め、教科や総合的な学習の時間におきまして、郷土の偉人を教材として取り上げたり、努力してその道に秀でた人や長年ひたむきに社会に貢献している人を講師に招いたりして生き方を学ぶことで、充実した人生を送る意欲や態度を育てているところでございます。さらに、さまざまなボランティア活動を通しまして、人や社会に役立つ喜びなどを実感させる教育も進めているところでございます。  社会的尊敬という価値観は、なかなか難しい面もございますが、学校教育も含め、社会的にも信頼され、さらには社会に貢献するような人を育てる教育の推進に努めてまいりたいと考えております。  三点目の、国語教育についてでありますが、子供たちが日常生活に必要な話す、聞く、書く、読むなどすべての学習の基盤となる国語力をきちんと身につけることは、学校教育における基礎基本であると考えております。こうしたことから、教育委員会といたしましては、平成十五年度から国語力向上モデル事業として、考える力や表現する力などの確実な定着や、個に応じた指導方法の工夫、読書活動の充実などを目指した取り組みを推進しているところであります。この成果を県内の小中学校に広めるなど、国語教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  一方、外国語教育についてでありますが、今日、国際化が進展をし、子供たちが将来にわたって社会で活躍していくためには、外国語の習得も不可欠なことであり、各年齢段階に応じての教育方法を考慮することは必要でございますが、外国語教育も進めていく必要があると考えているところでございます。  以上であります。 42: ◯健康福祉部理事(五十里明君) 医療問題についての御質問のうち、まず、県内全体の医師不足の状況でございます。  先月、現状について把握することを目的といたしまして、県内の三百五十一病院すべてに対し、医師不足に関するアンケートを行いましたところ、ほぼ二割に当たる七十もの病院から、医師不足で困っているとの御回答をいただきました。  医師不足の状況は病院によってさまざまでございますが、例えば、救急医療体制を組めないといったもの、小児科医や産婦人科医の不足のため入院を休止している、あるいは麻酔科医不足のため手術室の運営に苦慮しているなど、深刻な状況を訴える声も寄せられたところでございます。  次に、県としての医師確保についての検討についてでございます。  全国的な医師不足の状況や県で実施いたしました医師不足に関するアンケート結果を踏まえまして、県内の医科系四大学の関係者にも御参加いただきまして、愛知県医療審議会医療対策部会を先月開催いたしましたところ、地域における医師の確保策についてさまざまな御意見をいただきました。  いただきました御意見の中には、医師の絶対数が足らない、勤務医不足であるなど、県として対応することが難しいものもございましたが、その一方で、埋もれている人材を活用する、例えば、出産、育児などによって医療現場から離れている女性医師を職場に復帰しやすいようサポートしたらどうかといった御意見もいただきました。  今後、こうした御意見をもとに、医師の確保に向け、県として実行可能な対策について積極的に関係団体とも話し合いながら検討してまいりたいと考えております。 43: ◯知事神田真秋君) 最近の医師不足について、私からも触れさせていただきます。  このところ、お医者さんが足らないとよく耳にするところでございまして、私自身も県内関係市町村長さんから公立病院の医師不足についてたびたびお話を聞いたり、お訴えをお聞きする機会が多くなっております。深刻な状況にあると受けとめております。  医師不足の要因でございますけれども、いろいろお示しをいただいたとおりでございまして、病院の勤務医の職場が大変厳しい、あるいは医師の臨床研修制度の開始、あるいは出産、育児などによって医療現場を離れる女性の医師が多くなってきていることなど、そのような要因が指摘されているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、国は、この八月に医師確保総合対策を公表するなど、医師不足について熱心な検討を行っていると伺っているところでございますが、本県といたしましても、先ほど理事が御説明申し上げましたとおり、医療関係者の御意見をいただきながら、今その対応策について検討のスタートを切ったところでございます。今後、国の役割、県の役割をそれぞれきちんと見きわめた上で、愛知県として対応してまいりたいと考えているところでございます。 44: ◯副議長佐宗靖広君) 進行いたします。  とね勝之議員。     〔一番とね勝之君登壇〕(拍手) 45: ◯一番(とね勝之君) 通告に従い、三つのテーマで質問をさせていただきます。  まず最初に、警察と地域との連携のあり方についてお伺いをします。  昨年度の警察白書の特集テーマは、地域社会との連帯についてでありました。その冒頭で、最近の刑法犯の認知件数の増大の背景に、個々人の規範意識の低下や住民相互の人間関係の希薄化があり、これらをいかにして改善していくかが治安回復のかぎを握ると記されております。具体的には、防犯ボランティア団体を地域の安全のための連携の結節点ととらえ、これを媒介として地域住民と関係機関・団体が手を携えて一体となって行動することで大きな力が生まれ、地域社会における治安の回復につながると示しております。そのためにも、警察は自主防犯活動を多角的な角度から積極的に支援していく必要があると結んでおります。  警察白書で特集が組まれるほど警察と地域とのつながりは重要視され、昨今では、自分たちの町は自分たちで守るのだという意識が広く国民、県民に広がってきていると実感をしております。  このような状況下で、本県では、平成十六年四月、愛知県安全なまちづくり条例が制定され、具体的な活動方針の一つとして、安全なまちづくりに関する意識の啓発と情報の提供が掲げられております。  私は、要は、いかにいい意味で地域の住民の皆様を警察活動に巻き込んでいくかがポイントだと思います。例えば、私の地元である港署の取り組みとしましては、とりわけ学校関係者と緊密な情報の提供体制をとっております。例えば、不審者情報の扱いは、港区校長会の会長に適宜連絡をし、校長会会長から各学校の校長に一斉に伝わるようになっております。大変良好な情報の提供システムだと評価はできるのですが、ただ、このように警察が積極的に情報を提供しても、受け手側にしっかりとした意識づけ、もしくはルール的なものが整備されておりませんと、かえって混乱を招く可能性も出てきます。  といいますのも、前述の不審者情報の扱いにしましても、最終的に保護者に送るかどうかは、その学校の校長の裁量にゆだねられているのが現状です。また、ある小学校では、保護者の同意のもと、メールでの一斉告知を実施しており、ほぼ同時期に全世帯に不審者情報が届く体制ができております。そうなりますと、問題は、結果的に知る人と知らざる人が生まれてしまい、いわゆる情報格差は、新たな風評、風説や不安を増大させることにつながります。  例を申しますと、隣接するA、Bという学校で、たまたまA学校の校長は不審者情報を連絡不要と判断し、保護者には通達せずにいたところ、近接のB学校では校長の判断でメールにて保護者に一斉通達をしたところ、その結果、学区を挟んで相当な情報格差が生じてしまうわけです。  現在、港署では、いかに的確なタイミングで的確な情報を提供し、また、情報格差が生じないようにするためにどのような工夫が必要か、校長会と鋭意協議しているとのことでありますが、私は、ある程度のガイドラインは必要なのではないかと考えます。  携帯電話が普及し、電子メールによる瞬時での情報伝達は、ほぼ日常化してきたと言えます。警察が地域住民と連携を図る上で、同じ情報を大量同時発信できるメールをいかに活用していくかは、今後の大きな課題と言えるのではないでしょうか。  先ほどのメールでの一斉告知をしている小学校の話に戻ります。この学校がこのシステムを構築したきっかけは、平日の昼間、台風による警報が発令され、一斉下校の連絡を緊急連絡網で回そうとしたところ、ほとんどの連絡が途中でとまってしまったという教訓を生かし、保護者と学校側が話し合ってつくり上げたということです。最初はPTA役員のみ登録して始めたそうですが、一般の保護者からも希望がふえ、最終的には、全保護者に希望を募ったところ、九割方の世帯が登録をされたそうです。残りの一割は先生が直接電話をして伝えておるそうです。  保護者の方からは大変好評ということなんですが、システムの維持運営はその学校の教頭先生がかかりっきりとのことです。また、通常、学校には電話回線が二回線しか引かれていないため、とても不便さを感じていると話してくれました。ちなみに、緊急時の連絡は学校の先生個人所有の携帯電話で行っており、電話代はすべて自費で、その負担もかなり大きいと聞いております。  私は、警察と地域との連携と言った際の地域の単位は、小学校の学区単位が最もふさわしいと考えます。町内会長を初め地域の顔役が日ごろからきめの細かい連携を図っており、地域の住民も自分たちは学区住民であるという認識を強く意識してコミュニティーを形成しております。その意味で、学校の持つ公共的な事務的機能は、単に子供たちの安全確保のみならず、もっと学区住民に活用されなくてはなりませんし、還元されるべきだと考えます。  紹介した学校の取り組みは、ITに強い先生と保護者の協力があってなし得たシステムでありますが、こういった取り組みにこそ、警察、地域行政、教育委員会も一体となって支援し、単に保護者の方だけの緊急連絡網にとどめるのではなく、学区全体の緊急連絡網と発展させていくべきと考えます。そして、学校を、単に防災における避難場所という発想だけではなく、地域の防犯における危機管理センター的な位置づけにするべきだと考えます。  安全なまちづくり条例の真の目的は、県民が安全に暮らせるまちづくりにあります。犯罪の完全撲滅が困難であるこの今の時代、警察白書で示す町そのものの大きな力を高めることこそが安全への最大の近道であると考えます。警察からの迅速な情報提供に始まり、その情報をいかに的確に処理をし、そして、いかに地域住民全体に伝えるかで、その町の力、いわゆる防犯力は格段に向上すると確信をしております。  そこで四点お伺いします。  不審者情報を住民に提供する際のガイドライン並びにその情報の受け手に対する指導はどのように行われているのか、お示しをいただきたいと思います。  小学校学区単位で、子供たちの保護者のみならず学区在住者全体に対する緊急連絡網の整備が急務と考えますが、本県の御所見を伺います。  三つ目としまして、各地域での安全なまちづくり推進協議会が設立されておりますが、その協議会とその地域の小学校との具体的な連携はどのように進んでおられるのか、以上三点を警察本部長にお伺いします。  次に、小学校を地域の防犯の拠点として明確な位置づけをし、それに伴う学校側の職員の意識改革、人員の配置、役割分担並びに基盤整備が必要であると考えますが、教育長の御所見を伺います。  二番目のテーマに入ります。名古屋競馬場の現状と課題についてお伺いします。  御案内のとおり、名古屋競馬場は、ことしの二月議会において、存続をかけた戦いに、期間限定の三年という月日をいただくことになりました。それに伴い経営再建計画が策定をされ、既にさまざまな施策が実施されております。ここまでの結果として、来場者数は横ばい、売り上げ額も減少傾向ではありますが、一定の下げどまり感が見られるようになったと聞いております。ここに、不断の御尽力をされておられる関係者各位に敬意を表するとともに、改めて三年後に向けた希望の光がより確かなものになるよう、激励の意味も込めて質問をさせていただきます。  去る九月二十六日、いよいよ名古屋競馬場において馬番号三連勝単式、同じく複式、いわゆる三連単、三連複が購入できるようになりました。経営改善の目玉の一つでもありましたが、早くも十万馬券が飛び出すなど、ファンの方にとっては、よりだいご味が増したと聞いております。一方で、夏場のトワイライトレースの開催は、残念ながら入場者数、売り上げ額ともに対前年度比が通常開催時を下回ったという結果が出ております。  名古屋競馬再建に向けた許された期間は三年でありますが、私は、一年目のことしが勝負の年だと思います。ことし、ありとあらゆる手を打ち、来年、再来年にその効果を波及させなければ、全く三年という期間が無意味化してしまい、再建のめどが立たなくなってしまうからです。  ところで、先日閉幕した愛知万博の成功のキーワードは、日々改善であったと評されております。期間限定である万博は、問題を先送りするわけにもいかず、お客様本位で変化を恐れず常に改善に取り組んできた姿勢が、結果的に大成功につながったというわけです。私は、この姿勢が競馬再建に向けてもそのまま当てはまると考えます。万博の百八十五日間という会期同様、ある意味、名古屋競馬も三年という会期を持ったわけですから、日々の問題を放置することなく、計画そのものを常に改善するという姿勢で取り組んでいただきたいと思います。  さて、名古屋競馬の命運を握ると言っても過言ではないJBC競走がいよいよ十一月三日に迫ってまいりました。地方競馬の年に一度のお祭りであり、この日は地方競馬ファンのみならず、全国の競馬ファンの注目が名古屋に集まります。大前提として、多くの来場者の方を安全に楽しんでいただけるように体制を確立することは当然ですが、少しでも売り上げ増につながるように、積極的な広報活動を進めなくてはいけません。  メディアを利用したPR施策は、何もCMをテレビで流すだけではありません。これまた愛知万博の広報を思い出していただきたいと思います。当初はパビリオンの紹介だけであった番組が、そこに働く人々の交流、ドラマにスポットを当てるようになり、視聴者の共感を呼び、あの感動的なフィナーレに結びついたと私は思います。競馬は、馬主から始まり、生産者、調教師、騎手に至るまで多くの関係者で成り立っている、いわば馬を通じた人間ドラマであります。ぜひJBCにかける名古屋競馬関係者の皆様の生きざまをメディアに露出していただき、名古屋競馬物語的なムーブメントを起こしていただきたいと思います。  次に、馬場の内部の有効活用を提案させていただきます。
     内馬場の広さは約三万二千平米で、ナゴヤドームグラウンドの約二個分の敷地面積を誇ります。緑の芝は青々とし、公園としての機能は十分に持ち合わせていますし、都市の内部で自然と触れ合う絶好の場所だと考えます。最善策として、観覧席からトンネルを掘って、レース開催中も自由に行き来できるようにすると相当の効果は上がると思いますが、予算の都合上、現実的には難しいかもしれません。ならば、せめて非開催中の馬場の有効利用として、一部のさくを取り、ダートを横断して内部に入れるようにすれば、比較的容易に活用ができるはずです。  今ちまたでは、生涯スポーツとしてグラウンドゴルフが大変なブームとなっております。余りの人気で、その競技スペースの確保が困難になっていると聞きます。そこで、もし内馬場の芝生でグラウンドゴルフの大会などが開催できるとしたら話題にも上りますし、大会を通じ、初めて競馬場に来ていただける方も必ずふえると思います。また、グラウンドゴルフの選手層は比較的高齢者の方が多いため、平日でも時間に余裕があり、それでは今度競馬の開催中に行ってみるかと、新たな入場者獲得につながるはずです。また、ダートマラソンの企画も非開催中のイベントとしては奇抜でおもしろいかもしれません。通常馬が走るダートを人間が走るのです。他の地方競馬場で好評を博していると聞きます。  名古屋競馬はどうしても、中央競馬の土日開催の影響があるため、土日は門を閉ざさざるを得ません。しかし、発想の転換で、土日に競馬ファン以外のお客様を取り込むことにより、結果的に競馬に触れ合っていただき、平日の来場促進につなげる策を打つべきだと考えます。公営ギャンブル場から親しみのある娯楽施設へいかに転換し、今までのよい部分を残しつついかに新しいファン層を拡大していくかが名古屋競馬場の命運のかぎを握ると思います。  昨年、東京の大井競馬場に視察に行った際、確かに施設の充実度、洗練された雰囲気など多くを学ぶことはできましたが、私、何より印象に残っておりますのが、お話を聞かせていただいた関係者の皆様の熱意であります。だれもが地方競馬をこよなく愛し、何が何でも守り抜くんだという決意がひしひしと伝わってまいりました。  一方、名古屋競馬場の事務所は、経費節減もあって廊下の電気が消えているのは仕方がないとはいえ、全体に暗いイメージであり、職員の方の覇気というか気力が充実しているようには、残念ながら見受けられません。もう本当に後がないのだという危機感、とにかくやれることは何でもやってみようと試みる必死さは、周囲に自然と活力を与えるはずであります。名古屋競馬場をこよなく愛する県民の一人として、心から関係者の皆様へ最大限のエールを送ると同時に、奮起を期待するところであります。  ここで、大泉書店編の「地方競馬めぐり」という本の中で、名古屋競馬場について興味深い記述がありましたので、紹介させていただきます。以下紹介させていただきます。「名古屋競馬場は、人口二百万人を超す都市圏にありながら、同時にローカルな風情が感じられ、言葉で説明することが難しい独特の個性がある」、中略しまして、「全国の競馬場に足を運ぶ地方競馬フリークの十人のうち九人までは、名古屋競馬場に対して、とりたてて強調できる点はないという平凡な評価をする。でも、残りの一人は、ここには他の競馬場とは全く違う独特の空気があると絶賛するだろう」という文章であります。  要は、名古屋競馬場はしっかりとした個性を持った競馬場であるということだと思います。残された期間、時間がないと慌てふためくのではなく、また決してあきらめることなく、じっくりと競馬場と正面から向き合って、真の名古屋競馬場の魅力を引き出す努力を続けることが何よりも肝要であると思います。  そこで三点お伺いします。  本県として、愛知県競馬組合の経営再建計画の取り組み状況とその効果をどのようにとらえておられるのか、また今後どのような支援をしていく方針か、お示しをお願いしたいと思います。  次に、JBC競走について、さまざまな媒体への広報活動を含め準備状況はどのように進んでおられるのか、また、県として特別な支援を検討されているのか、お示しをお願いします。  最後に、馬場、内馬場を含めた競馬場施設の有効活用をどのようにとらえておられるのか、競馬非開催時の活用も含め、御所見をお伺いします。  三つ目のテーマとしまして、あおなみ線の現状と今後の課題についてお伺いします。  昨年の十月六日に開通しましたあおなみ線でございますが、間もなく開通丸一周年を迎えます。運営は第三セクター方式である名古屋臨海高速鉄道株式会社がされておりますが、本県も出資者の立場から、また県全体の交通環境整備施策を推進していく立場から、しっかりとサポートしていかなければなりません。  さて、まずはあおなみ線の利用状況でありますが、残念ながら大変厳しい状況と言わざるを得ません。当初一日平均六万六千人が見込まれておりましたが、現状では約一万八千人と、その三分の一にも達しておりません。この一年間で最も乗車数が多かった日はゴールデンウイークの五月三日で、それでも五万三千人にとどまっております。  このような状況の中で、先月、会社側は経営改善計画を発表しましたが、その中身もまた大変深刻なものとなっております。沿線地域、企業、学校への営業やイベントの開催など、会社としてさまざまな需要喚起策を打ち出してはおりますが、肝心の需要見込みの数字は、五年後の平成二十二年度でも約三万五千人にとどまるとされております。結果として、早くも平成十八年度、つまり来年度には一億七千万円もの資金不足が生じてしまうという衝撃的な数字が公表されております。  本県では、株式会社設立の際に二十八億円にも上る出資金、補助金のほかに、転貸債という形で約四十二億円の借入金を拠出しております。しかし、その債権の大半が五年物であり、返済条件の見直しがなければ来年度にも償還が始まり、にわかに臨海高速鉄道株式会社の存続そのものが危うくなってしまいます。  そもそもの問題は、開通一年にしてなぜここまで需要見込みが狂ってしまったかであります。私は、昨年の九月議会の場で、需要見込みである六万六千人が下回った場合の対応策をお聞きいたしましたが、その際、企画振興部長は、この数字は過大なものではないとの答弁で、下回った場合の言及がありませんでした。私は、独立採算を前提とする第三セクター方式に公金が投入される、もしくは財政支援をしなくては倒れてしまうという事態を、経営陣はもちろんのこと、出資した自治体も重く責任を受けとめなければならないと考えます。また当然、私ども議会のチェック能力も問われるものと思います。  第三セクター方式は、民間だけでは負担できない地域振興や産業振興などを担い、だからこそ行政の支援は不可欠であり、多少の公金投入も是とされるゆえんと考えます。しかし、あくまでこの話は、会社側も自治体側も、関係者が一丸となって甘い認識を捨て、身を切るような経営努力を行うことが大前提であります。厳しい現状が突きつけられた今こそ官民の役割分担、責任分担をはっきりし、共通認識を持って立ち向かっていかなければなりません。  私は今回の質問に当たり、会社側からはもちろんのこと、最大の出資者である名古屋市の担当者、名古屋港管理組合の担当者、地主であるJR、そして本県の担当者からさまざまなお話を伺いました。皆様口をそろえて、こんなはずではなかった、何とかしなければならないとおっしゃられますが、残念ながら改善策に対しては何か奥歯に物が詰まったような物言いで、何かに遠慮されているのか、明言を避けるのでありました。  低迷する利用者数に対して、今さら責任のなすり合いをするのでなく、しっかりとその低迷原因を調査、研究し、会社側、自治体側双方で、これから本当にどうするべきか、何がなし得るのか、一つのテーブルに着いて早急かつ真剣に検討すべきと考えます。  特に沿線開発という側面では、ささしまライブ地区、名古屋競馬場駅前の広大な土地、稲永、野跡の住宅地区、そして金城ふ頭の商業開発地区など多くの潜在的需要が眠っていると考えます。当然ながら名古屋市、名古屋港管理組合との緊密な連携のもと、駅を中心としたまちづくりを本県も積極的に進めていかなければなりません。  全国の成功例では、神奈川県の京浜急行電鉄が注目を集めております。三浦半島中央部に位置する横須賀リサーチパーク、略してYRPの開発は、民間と神奈川県、横須賀市が一体となって、世界でも類のない情報通信技術の研究開発拠点づくりを目指しております。YRPでは、常住人口千六百人、昼間就業人口九千五百人を生み出し、YRP野比駅は毎日活気に満ちあふれているとのことです。  本県の事情をかんがみますと、沿線開発の理念の一つとして、環境に優しいまちづくり、いわゆる車依存型社会からいかに脱却を図るかが大きなテーマになり得ると考えます。環境に負荷をかけない交通対策として、今、全国で取り組まれている施策が、最寄り駅まで自動車でアクセスし、駅に近接した駐車場に駐車し公共交通機関に乗りかえる、いわゆるパーク・アンド・ライド施策でございます。愛知万博で環境との共生を学び、見事に具現化してきた本県でありますから、今後もこのパーク・アンド・ライドをより積極的に推進していくべきだと考えます。  そういった観点であおなみ線を見渡してみますと、電車が走る高架の下の遊休地がより魅力ある土地に変貌を遂げて見えてきます。幸い名古屋市もパーク・アンド・ライドを重点施策に掲げ、具体的な数値目標を設定し、強力に取り組んでいただいております。ぜひとも本県においても、将来多くの県民が利用するであろうこのあおなみ線において、積極的にパーク・アンド・ライドを推進していただき、環境に優しい沿線並びに駅前開発を名古屋市とともに取り組んでいただきたいと願います。  そこで四点お伺いします。  本県として、あおなみ線の当初の需要見込みが実績とここまで大きく乖離してしまった原因は何にあるととらえておられるのか、お示しを願います。  次に、県として今後、あおなみ線の需要喚起策をどのように検討しておられるのか。また、財政支援も含めた支援策をどのように考えておられるのか、御所見を伺います。  三番目に、あおなみ線の今後の対策として、会社側と本県、名古屋市等の出資者が一堂に会し、議論をしていく場が必要であると考えます。県としてその先導的な役割を果たし、積極的に呼びかけをすべきと考えますが、御所見を伺います。  最後に、パーク・アンド・ライドを含めたあおなみ線の沿線開発の基本的な考え方、理念、また具体的な進め方をお示しください。  以上、理事者の皆様から明確な御答弁をお願いして、壇上からの質問を終えます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 46: ◯副議長佐宗靖広君) この際、お諮りいたします。会議中時間経過のおそれがありますので、時間を延長することに決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 47: ◯副議長佐宗靖広君) 御異議なしと認めます。よって、時間は延長することに決定いたしました。 48: ◯警察本部長(宮本和夫君) 警察と地域社会の連携のあり方についてのまず第一点目、不審者情報等を提供する際のガイドライン及び指導についてであります。  犯罪の未然防止を図るためには、地域の皆様に身近な犯罪情報を積極的に提供し、それぞれの地域における自主的な防犯活動、また個人の防犯措置の促進を図っていくことが重要であると考えております。  情報の提供につきましては、これまでも各種の媒体やあらゆる警察活動を通じて実施をしておるところでありまして、特別にガイドラインを設けているというわけではありませんけれども、例えば、子供を対象としたわいせつ事案や声かけ事案など、地域住民が不安を感じ、また警戒をしていただく必要性の高いものにつきましては、速やかに関係の教育委員会、また学校、地域の皆様に対しまして情報提供を行っているところであります。  こうした情報を提供した際には、情報が確実に伝えられることと同時に、その情報に基づいて適切な防犯対策が講じられ、それによりまして犯罪の発生が抑止されることが肝要でありますので、平素から防犯訓練や防犯教室を開催をし、防犯ボランティアによるパトロールをお願いするなど、各種の指導に努めておりまして、これらを通じて情報への的確な対応と警察活動への連携を図っているところであります。  第二点の、学区単位での緊急連絡網の整備についてであります。  議員御指摘のとおり、学区単位で情報を提供するなり各種連携を図っていくということは、一般的に適切な規模の範囲だという認識をいたしております。従来から、愛知県警のホームページでも、各警察署の学区単位での犯罪の発生件数を掲載しているのを初め、子供を対象とした声かけ事案等の発生概要を記載したマップを掲載するなど、それぞれ学区単位での情報提供を行っているところであります。  情報提供の方法につきましては、地域の方々にできる限り情報が伝わるよう、警察としてはいろいろな手段を利用しておるところでありまして、その際、学校の緊急連絡網が利用できる場合は活用させていただいておりますけれども、今後とも、情報の内容に応じまして、地域や職域の連絡網であるとか、またはインターネット、メールなどを活用いたしまして、どのような対象にどうした方法で提供するのが効果的であるのかを判断しながら行っていきたいと考えております。  学校における緊急連絡網、これもその一つの手段と考えておりまして、それが拡充することにつきましては、当然それだけ有効性が増すということになりますけれども、警察といたしましては、これだけに頼ることなく、可能な限り各種の情報網を活用して積極的に情報提供をしてまいりたいと考えております。  第三点の、安全なまちづくり推進協議会と小学校との連携についてでありますけれども、安全なまちづくり条例の規定に基づきまして、県民、事業者、自治体との協働による安全なまちづくりの取り組みをより実効性の高いものとするため、県レベルと各警察署レベルでの推進協議会が設立されております。県の推進協議会はもとより、各地域の協議会におきましても、教育委員会や小中学校の校長会、PTAの代表等教育関係の方々も委員として参画をいただいております。各地域において安全なまちづくりに関する推進計画等について御提言や御審議をいただき、それぞれの立場で、学校における不審者侵入防止訓練とか、参加・体験・実践型の防犯教室の実施など、具体的な対策を推進をしていただいております。 49: ◯教育長伊藤敏雄君) 小学校を地域の防犯の拠点とすることについての御質問でありますが、児童生徒の安全確保のためには、家庭、地域と警察等関係機関との連携は大変重要と思っております。  教育委員会では、これまで学校安全体制整備を進めるとともに、特に教職員が危機管理意識を高めることに努めてまいりました。さらに、学校と地域が連携した学校の安全を図るための取り組みを進めてきたところでありますが、本年度からは、学校安全ボランティアでありますスクールガードを活用した地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業にも取り組んでいるところでございます。  また、不審者情報等の共有化でありますが、まずは、学校と保護者との連絡網、次に、警察や市町村行政部局との連絡網、さらには犯罪の広域性も考慮いたしました情報網の構築に向けて取り組みを進めているところでございます。  そうした中で、小学校を地域の防犯の拠点としてはどうかとの御質問でありますが、学校はあくまで教育の場であること、また、防犯の拠点機能として必要な人員確保の問題、あるいは犯罪情報をいかに正確に把握できるか、さらには間違いのない対応ができるかなど、さまざまな問題があり、難しい課題であると思っております。まずは学校と警察や市町村行政部局との連携をより密にしてまいりたいと考えているところでございます。 50: ◯農林水産部理事(小出義光君) 名古屋競馬場についての御質問のうち、まず、経営再建計画の取り組み状況についてでございます。  経営再建計画ではさまざまな売り上げ振興策を掲げておりますので、これらをできる限り早期に実施し、売り上げの増加につなげていくことが重要でございます。  このため、競馬組合では、計画策定後直ちに実施に取り組み、馬券発売業務の民間委託を初め、冠レースや女性のための競馬セミナーなどを実施いたしますとともに、競走馬の名づけ親募集や北海道のばんえい競馬によるデモンストレーションなど、計画になかった取り組みも積極的に行っているところでございます。また、JBC競走に向けて急ピッチで進めてまいりましたファンからの要望が強い三連勝式馬券発売も既に実施し、名古屋競馬場のリニューアルも、JBC競走に間に合う見通しとなっております。  これらの取り組みの効果でございますが、九月末までの馬券発売額は対前年度比で八五・八%と減少いたしておりますが、三連勝式馬券の発売を始めました先週だけの実績を見ますと、一〇七・三%と前年を上回っており、このことだけでは判断できませんが、明るい兆しも感じているところでございます。  また、競馬組合への支援でございますが、経営再建計画を推進するため県から職員を派遣するなど、競馬組合と一緒になって取り組んでいるところでございまして、今後も積極的に支援をしてまいります。  次に、JBC競走の準備状況でございます。  十一月三日に開催されますJBC競走は、中央競馬の優秀馬も参戦いたします地方競馬最大の重賞レースであり、名古屋競馬場のPRと新規ファン獲得の絶好の機会でもあります。  このため、競馬組合では、全国組織のJBC実行委員会が実施する全国のテレビ、ラジオなどを通じたPRと連携しながら、スポーツ紙、テレビ、ラジオなどの広報媒体を活用したPRや、のぼりの掲出、街頭キャンペーンなど、独自の広報活動に精力的に取り組んでいるところであります。  また、マスメディアに報道される効果は大きいものがございますので、話題として取り上げられるよう、JBC競走に関連した情報を積極的に報道機関に提供してまいります。  さらに、開催当日は多くのファンの来場が見込まれますので、競馬組合では総合案内所の設置や警備員の増員など、来場者への対応に万全を期しているところであります。  県としての支援でございますが、これまでもJBC競走に向けた準備に協力をしているところでありますが、さらに街頭キャンペーンなどのPR活動や開催当日のイベントであります畜産フェスタに積極的に協力するなど、JBC競走を盛り上げてまいりたいと考えております。  最後に、馬場、内馬場を含めた競馬場施設の有効活用についてでございます。  競馬ファンへのサービス向上に加え、新たなファン獲得のため、施設の有効活用を図ることは大切であると考えております。  このため、競馬組合では、施設の有効活用について幾つかの検討が進められておりますが、議員から御提案のありましたダートコースマラソンにつきましては、この冬の開催に向けて計画を進めているところでございます。また、内馬場を利用したグラウンドゴルフにつきましては、管理面や利用方法などの課題もございますので、競馬の運営への影響を含め、競馬組合が検討をいたしております。  いずれにいたしましても、競馬の非開催時を含めた競馬場の有効活用により、ファンや地域の皆様に親しまれる競馬場を目指してまいりたいと考えております。  以上です。 51: ◯企画振興部長(渡邉俊司君) あおなみ線の需要見込みと利用実績の乖離の原因についてであります。  まず、需要予測につきましては、鉄道事業における一般的な予測手法を用いて行ったものでございますが、結果として、実績が予測を大きく下回っていることは、まことに残念なことであると受けとめております。  その大きな原因といたしましては、あおなみ線各駅と接続する市バスの路線、本数が少ないこと、駅周辺の駐輪場が有料で、無料の地下鉄各駅と競合していること、名古屋駅での乗りかえがわかりにくいこと、さらには地域特性として沿線に多くの工場等が立地し、比較的職住が接近していることから、マイカーからの利用転換がなかなか進まないことなどが考えられます。  次に、あおなみ線の需要喚起策についてでありますが、あおなみ線の沿線にはポートメッセなごや、県武道館、名古屋競馬場など集客力の高い施設が立地しております。このため、本県ではこうした施設の利用拡大に向けてさらに努力するとともに、名古屋臨海高速鉄道株式会社や名古屋市と連携をして、県民の皆様や企業に対するあおなみ線のPRを積極的に行ってまいりたいと考えております。  一方、県の支援策についてでございますが、あおなみ線は鉄道の空白地帯であった名古屋市西南部地域のアクセス改善のため、地下鉄の代替路線として名古屋市が主体となって計画されたものでありますが、その建設に当たりましては、あおなみ線が県と名古屋市が共同で管理する名古屋港金城ふ頭へのアクセスとしての役割を担っておりますことから、県も出資、補助、貸付による資金提供などで協力してきたところでございます。  名古屋臨海高速鉄道株式会社の経営につきましては、まずは会社が自立できるよう最善の努力を続けていくべきでありますが、県といたしましては、今後具体的な要請がありましたら、名古屋市の対応を見きわめつつ、どのような協力ができるか対応を考えてまいりたいと存じます。  次に、出資者が一堂に会し議論する場の設置を県が呼びかけることについてでございますが、あおなみ線の需要喚起を図るため、関係者が一堂に会して対応策を検討していくことは大変有意義なことであります。  そうした取り組みにつきましては、沿線地域における開発や沿線各駅における駐輪場の運営、ポートメッセなごやの活用など、あおなみ線の需要喚起に大きな影響を及ぼす事業の大半は名古屋市主体で推進しているものでありますので、名古屋市に先導的な役割を果たしていただいた方がよいのではないかと存じておりますが、要請がありましたら、一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。  次に、沿線開発についてでありますが、あおなみ線の開業によって名古屋市西南部地域の交通の利便性が飛躍的に高まったわけでありますので、そうした効果を住宅や集客力の高い商業施設などの立地誘導につなげ、あおなみ線の需要創出を図っていくことは、会社の経営改善にとって極めて有効な方策であると考えております。  あおなみ線の沿線地域は、先導的な都市拠点やにぎわい、交流等の拠点の形成を目的として都市再生緊急整備地域の指定を受けており、国の金融支援や都市計画の特例措置を活用しながら、民間主導での開発を図っていくこととしております。  そうした中、金城ふ頭地区におきましては、名古屋港管理組合が商業・娯楽拠点としての機能強化を図るため、民間事業者によるアウトレットモールなどの事業を誘致しているほか、野外コンサートにも利用可能な中央緑地の再整備を行い、県もその事業費を負担しているところでございます。  なお、パーク・アンド・ライドにつきましては、マイカーからあおなみ線への利用転換を促すために有効な方策でありますが、まずは名古屋市が市域における交通政策全体の枠組みの中で検討していただくことがふさわしいのではないかと考えております。  以上でございます。 52: ◯知事神田真秋君) 名古屋競馬についてお答えを申し上げます。  経営状況でございますが、今年度になりましても依然として厳しい状況にあることは率直に認めなければならないと思っております。経営再建に当たりましては、お示しのとおり、やはり初年度が大変重要だと考えております。  競馬組合では、現在さまざまな売り上げ振興策に懸命に取り組んでいるところでございまして、半年たった今の段階では、まだ目に見えた成果はあらわれてはおりませんけれども、三連勝式馬券や競馬場施設のリニューアルなどによって、今後売り上げが伸びることを期待をしているところでございます。  そうした中でございますが、明るいニュースもございまして、御承知のとおり、宮下瞳騎手が女性最多勝の日本新記録を達成したところでございまして、これは全国の競馬ファンからも注目されたところでございます。  また、先ほどの御質問の中で御指摘いただきました十一月三日、あと一カ月後でございますが、地方競馬最大の祭典でありますJBC競走が西日本で初めて名古屋競馬で開催されるわけでございます。まずはこれをきちんと成功させることによりまして、名古屋競馬の再建の道筋がつけられるよう、引き続き県としても競馬組合を支援していきたいと考えております。 53: ◯一番(とね勝之君) 要望して終わりたいと思います。  警察と地域の連携につきましては、今いろいろと御検討いただいているということでございますが、先ほどお話しした昨年の警察白書の中で、地域警察官の意識調査というものが出ております。  そこの中では、要はお巡りさん、交番、駐在所のお巡りさんの意識調査なんですけれども、地域の安全は警察だけで確保できるかというその問いに対して、「確保できない」と答えた方が九四・九%、ほとんどの方が、警察だけでは地域の安全は確保できないとおっしゃっています。では、地域と連携が十分図れているかと、その問いに対しては、「どちらとも言えない」「図れていない」という方が、六五%の方がそう答えています。なぜ十分な連携がとれないかと、その質問に対しては、「警察が忙しい」と、要は事件、事故に追われてなかなか対応ができないというのが、七五%の方がそういうふうに答えているわけで、実際にこういう数字から見ますと、警察側の方の御認識は、特に現場の方の、お巡りさんの認識は、地域の方と一緒に連携をとりたいんだけれども時間がないんだと、忙しいんだというのが現状だと思います。  私は、そういったことも踏まえて、警察の方にすべてをそこで中心でやってくれというわけじゃなくて、例えば、各地域地域にある学区の小学校が一つの拠点としてなり得るのであれば、私は積極的に連携をしていくべきだと。交番も絶対的に不足しております。かといって、交番がすっとふえるわけでもございませんし、私はある意味、小学校のインフラ設備というものを幅広く地域に還元することを積極的に御検討いただきたいなと思います。  また、神田知事からは今、競馬場に対して大変心強い御認識をいただきました。とにかく時間がないと。まずやってみるという、そういう実行力が必要かと思いますので、大井競馬場に関して私が感じた熱意というのは、これは名古屋競馬場の皆さんも、きっと皆さん持っていらっしゃると思いますが、とにかく今のこの現状を御認識いただいて、まずやってみようと、その実行力に移していただくことをお願いしまして、質問を終わります。     ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 54: ◯四十番(三浦孝司君) 本日はこれをもって散会し、明十月五日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 55: ◯副議長佐宗靖広君) 三浦孝司議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 56: ◯副議長佐宗靖広君) 御異議なしと認めます。  明十月五日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時五十九分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...